不登校という経験(2) いじめの最悪の結果を防ぐには

登校拒否というのはいろんな意義があるわけですけれども、少なくともいじめによる最悪の結果(自殺)だけは防ぐことができる。それから、日頃から「登校拒否の権利というのは子どもにある」ということを、大人が倫理として認めておくということがいかに大事か。子どもは、特に思春期ごろの子どもは、大人に対して「自分がいじめられている」という事実を伝えないことがしばしばあります。いじめを伝えないのは「健康な発達をしている子どもは秘密を持つ」という理由です。もう一つの理由は、「いじめられることは恥ずかしいことだ」とか、「いじめられる自分にも欠点がある」というような、間違った考え方を持たされている。このために、「いじめられているのは自分が悪いからじゃないか」「自分が弱いからじゃないか」と誤って考えてしまい、だから「これは恥ずかしいことだ」と考えて大人たちに伝えないことがあるわけですね。これはいうまでもなく間違った考え方です。いじめを発見した時に、大人たちが深く考えずに、あるいはわざと、「お前にも悪いところはあるだろう」とか、「あなたにも反省して直さなくちゃいけないところがあるんじゃないか」とかいう言い方をしているんですね、しばしば。そのたびに子どもは、「そうか、やっぱり自分のこういうところが悪くていじめられるのか」というように、本気でそう思っちゃってるところがあります。でもそんな馬鹿なことは絶対無い。なぜなら、いじめの被害者っていうのは、誰でもが被害者になるからです。特定の子どもがなるわけじゃないんですね。

続き:不登校という経験(3) 不登校の意義

不登校という経験

講師 高岡健氏
(岐阜大学医学部助教授・精神科医)
「大阪YMCAでの講演会より一部抜粋」

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