<インターナショナルスクール通信 大阪YMCA IHS>
IHSの一年生から希望者を募って大阪市住之江区南港にあるATCエイジレスセンターに行きました。ここでは介護やユニバーサルデザインについて様々なことが学べます。
たとえば、足に特殊な装具をつけて、高齢者がちょっとした段差にどれほど苦労しているかといったことを実際に身をもって体験できるコーナーでは生徒たちも普段との違いに大いに驚いていました。
「(順番に生徒たちが装具をはめて体験している場面で)友達はみんな、しんどい、重い、歩きづらいと言っていましたが、私はみんなオーバーなリアクションをしているだけだろうと感じていました。しかし、実際自分が体験してみると、足が固まったような状態になり、階段の上り下り、下り坂などが特にしんどく感じました。」
普段は乗ることのない車イスにも乗り、普段の生活においてちょっとしたものでも、いかに障がい者にとって邪魔で、また危険なものになり得るかということも実地に学びました。
「私たちが普段なにも思わずにやっている動作の一つでも車椅子に乗ったまま行うとすごくやりにくかったです。その上、予想以上に手が疲れました。ひとつの段差でも、人間の足でなら軽々とまたげるのに車イスだと難しいし、少し狭いだけで通れない道があったりします。」
高齢者や障がい者の生活の苦労を体験するだけではなく、介護の負担を少しでも軽くするような最新のテクノロジーについても学びました。しかし、便利なもの、最先端のものはどうしても高額になってしまい、誰にでも手が届くものではないということも同時に知ったようです。しかし、ここで学んだことにより、「身体の不自由な人のために作られた便利な道具の利点や欠点、老人のつらい日々の生活を知ることで、どこでその人たちと出会っても、手を貸せるし、手伝うことだってできます。私も助けられる一人になったのだと思えば、すごい経験だと実感できます。」
「高齢者や障がい者の身体の感覚や見ている世界を少しでも疑似体験できて、普段の生活や外を歩くときにもスピードや段差、くだりの階段などでもっと気遣えるようになりたいと思いました。」
カッコ内は生徒感想文より抜粋