大阪YMCAインターナショナルハイスクールで季節ごとに行われている「社会・文化・芸術活動(略して社・文・芸)」。今回は南森町にある天満天神繁昌亭(はんじょうてい)で行われた英語落語の鑑賞に参りました。
「あさ吉英語落語独演会」と題された今回の落語会、出演は桂福丸氏、豊来家玉之助氏、桂三輝(サンシャイン)氏、そして桂あさ吉氏です。演目も古典の「天狗裁き」や「茶の湯」、「辻占茶屋」や桂三枝氏の創作落語「宿題」と幅広く楽しめました。豊来家玉之助氏による獅子舞もその動きの美しさ、獅子頭の細工の精緻さに息を呑む思いでした。桂三輝氏はカナダ人初の噺家で、パワフルな語り口、分かりやすい英語の発音にこちらもぐいぐいと引き込まれました。桂福丸氏は京都大学法学部出身という経歴を持つ噺家で、ある男が見た夢をめぐって大騒動が起こる「天狗裁き」という噺を分かりやすい英語で聞かせてくださいました。あさ吉氏は、知ったかぶりの旦那がとんでもない茶道を披露するという「茶の湯」、遊郭を舞台にした「辻占茶屋」の二本を口演されました。茶道や遊郭という英語で説明するのは少し難しい日本の文化が登場する噺なのですが、動きや表情が生き生きとしていてとても分かりやすく、すんなりとなじみました。
終了後には桂あさ吉氏自らに楽屋や舞台裏、囃子場を案内していただくという願ってもいない機会にも恵まれました。生徒たちも異口同音に少しばかり興奮冷めやらぬといった様子で「楽しかった」「想像以上に面白かった」と言っていました。これを機に日本語での落語にも親しんでいってもらいたいと思います。
(繁昌亭の前で桂あさ吉氏とともに)


