<インターナショナルスクール通信 大阪YMCA IHS>
タイではもう長い間、エイズ問題が社会に大きな影を落としています。政府の対策も少しずつ効果を発揮してきましたが、それでも未だに多くの子どもたちが両親をエイズのために亡くしています。
チェンマイ近郊のサンカンペーンというのどかな田園風景が広がる静かな町にひとつの児童養護施設が建てられたのが2004年の2月のことです。ここでは、エイズ孤児をはじめとして、様々な理由で両親と共に生活できない子どもたちが共同で生活しています。建設から運営まで、その中心となっているのが吉田登さんという、横浜YMCAの常議員をされていた方です。吉田さんも15人の子どもたちのお父さんとして一緒に生活をしておられます。真っ白い豊なおひげが特徴的で、やさしそうな目をした吉田さんはそれこそ「熱帯のサンタクロース」と呼ばれるのもよくわかる、とても穏やかな方でした。 インターナショナルハイスクールの生徒も毎年この「さんたの家」を訪問して、お話をうかがっています。昨年10月にNHKで放映された「さんたの家」を紹介する番組を見ながら、吉田さんからお話を聞き、子どもたちと交流を持ちました。子どもたちははじめは恥ずかしそうな顔をみせていましたが、それでも私たちのために練習した歌を歌ってくれました。お返しに、引率のトニー先生が簡単な英語の授業をしましたが、どの子もとても大きな声で答えていたのが印象的でした。
時間にしてみるとほんの短い間でしたが、一生懸命に生きていることが伝わってくる彼女たちの姿から大事なことが学べたはずです。