デンマーク・エクスチェンジ・プログラム~訪問編~
2年生は12月2日(土)〜16日(土)までの2週間、デンマークのEIS(Eisbjerghus International Efterskole)に滞在してきました。デンマークには、エフタスコーレという中学校卒業後に1年間、自分がどう生きたいかを考えることができる学校があります。教科の学習もしながら、生活面での学びや、個人面での成長過程に重きが置かれています。IHSでは卒業生が教員として働いているEIS校と提携し、毎年2年生が修学旅行として12月にデンマークを訪問します。
今年のテーマは"life with AI"とし、現地でもAIを活用した施設を訪問して来ました。今ある仕事の60%はAIにとってかわると言われています。そんな中、AIを避けるのではなく、AIと共により良い人生を送るために、どのようにAIを活用して生きていくのかを考える時間になりました。
最初の訪問先はデンマークのセントラルヒーティングシステムでありゴミ焼却場でもある施設です。12月のコペンハーゲンの平均最高気温は5℃、平均最低気温は0℃ですが、セントラルヒーティングシステムのおかげで屋内はとても暖かくTシャツで過ごせるくらい快適です。ゴミの焼却熱を利用して各家庭の暖房につなげるシステムは環境にも配慮されています。AIはそれらの設備のメンテナンスに活用されているとのことでした。これまでは人が点検、チェックを行っていたところを、AIが機械のデータを集めて必要なメンテナンスを考えているとのことでした。
2つ目の施設はデンマーク第2の年金機構でした。こちらではAIをカスタマーサービスに活用しており、そのシステムについて学ぶことができました。どちらの施設も、EISの生徒の保護者が働いている施設であり、今回のテーマを元にご家族が訪問・見学に協力してくださっていました。
デンマーク訪問は学びを共に深めることはもちろん、共同生活を送る中で異文化交流をし、IHSで学んできた英語を自発的に活用する機会でもあります。
寮では4〜6人部屋で生活を共にしました。文化の違いに悩んだり、慣れない生活環境に戸惑っていたIHS生もだんだんと逞しくなり、寮生活を楽しめるまでになりました。
休み時間に、一緒に歌ったり踊ったり、ボードゲームをしたり、ビリヤードをしたり...何気ない日常の中でバディーとの関係を深めていきました。
週末のホームステイでは、バディーのご家族とデンマークのクリスマスを体験しました。クリスマスクッキーを一緒に作ったり、クリスマスツリーを森に取りに行ったり、チボリ公園やレゴランドで遊んだり。3泊4日の短い期間でしたが、ホストファミリーがお別れの時に涙してくれるくらい、深い交流ができた生徒もいました。どのご家庭も温かくIHS生を迎えてくださり、IHS生にとって忘れられない思い出になりました。
2週間はあっという間で、IHS生が準備して来た関西地域についてのプレゼンや、日本の遊びや歌、簡単な空手の護身術を伝えたCultural nightやMorning Assemblyの時間もEIS生もとても興味を持って参加してくれ、達成感を感じられる良い機会になりました。
何より、IHS生は毎日ふりかえりの時間を持つ中で、少しずつ自分たちの学年の課題や個人の悩みを伝えあいました。その時間の中でお互いをよく知り、仲間1人ひとりをより大切な存在として想い合えるようになりました。
「帰ったら先生たちびっくりさせたい!」と帰国してからも2年生という集団として成長したことを見てほしいというほどにまで、学年として大きく成長することができました。個人としても「いつもなら諦めていたところも、分かるまで質問するようになった」「後悔しないようにバディーとできるだけたくさん話すようにした」と、これまで学んできた英語を使って深いコミュニケーションをとろうと努力する姿が見られました。
1月23日(火)~2月1日(木)まで、今度はEISの生徒たちがIHSを訪問します。あと2週間ですが、ホームステイでどんなことをするか、最終発表に向けてどのような学びを深めていくか、みんなで最後の2週間どうやって楽しむか、準備を進めています。これらのすべての経験が、1人ひとりの生きる力を強める体験になると信じています。