ここ大阪YMCAインターナショナルハイスクールの卒業生の中には様々な分野で活躍するユニークな才能を持った人が少なくありません。8期生(1998年卒業)の茂山(善竹)忠亮氏もそんな類まれな才能を持った一人です。
毎年、季節ごとに行っている「社会・文化・芸術活動」。普段の授業では出来ない活動を行うというこの企画、今までに英語落語や歌舞伎を鑑賞しましたが、今回は善竹忠亮氏が主演する狂言の鑑賞を行いました。
忠亮氏は大蔵流の狂言師として幼少時から狂言の舞台に立ってきました。現在は伝統的な舞台から、新たな試みとしてオペラとの競演まで幅広く活躍されています。 今回はシェイクスピアの古典劇「ロミオとジュリエット」を上演されました。筋書きはそのままで、舞台を灘に代え対立する二つの家「キャピュレット家とモンタギュー家」を「松山家と鈴木家」に改め松山家をオペラ歌手が、鈴木家を狂言師が演じるという異色の舞台です。大阪能楽会館の能舞台を使い演じられ、伴奏をつとめる楽器もチェンバロと琴という、和洋の見事に融合した舞台に生徒たちも思わず見入っていました。能舞台にオペラ歌手が洋装で立ち、伝統的な衣装の狂言師とやりとりをする様子はとても興味深いものです。その中で、善竹忠亮氏はロミオを演じました。
上演後、生徒たちは今見た劇について口々に感想を言い合っていました。様々なことを感じたようで、こちらとしても彼らの感性に大いに訴えかけてくれるこのような舞台を作ってくださった関係者の皆様に大いに感謝しております。