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イベント

バラエティサマースクール in Hawaii

7月25日(月)から2週間にわたり、中学2年生~高校3年生までを対象としたサマースクールをハワイで実施しました。日本とは違ったハワイという大自然の環境の中でSST(ソーシャルスキルトレーニング)を集中的に学ぶプログラムとして、大阪教育大学名誉教授でサポートクラススーパーバイザーの竹田契一先生の指導の元、大阪YMCAとハワイにあるバラエティスクールがパートナーシップを結び、今年度から開催しました。

 

今回の引率、及び指導者は下記の3名です。

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このサマースクールでは大阪YMCAの加藤(左)、裵【ぺ】(右)、そしてバラエティスクールのビリー(中央)の3名の指導者がチームとなり、2週間の中で参加者の課題に合わせて適切なタイミングでその参加者のペースにあわせてアプローチしていきます。時に英語で、時に日本語で、指導者の知識や経験を駆使し、色々なカラーを出しながら日本とは異なる環境下での学びやハワイという大自然でしか体験できないプログラムを作り上げました。

 

参加者は当日を迎えるまでに3回ほど大阪で集まり、現地スタッフとの顔合わせはもちろん、参加者同士の交流や渡航に向けた準備(スケジュール、パッキングリスト、部屋割り、何を学ぶ場所なのか など)を行ないました。

 

さあ、いよいよ出発当日です。今回のフライトは往路は伊丹空港から羽田空港を経由してホノルルに向かいます。復路はホノルルから成田空港を経由して伊丹空港まで帰ってきます。日本の主要空港をハブする経験はこれからの人生の中でいきることと思います。

 

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 夜に伊丹空港に集合。2週間の滞在のため、荷物は本当に重たく超過してしまうことが心配でしたが、無事チェックインが完了。保護者に別れを告げ、保安検査を通ればしばらく大阪ともお別れです。羽田空港で東京集合の参加者と合流し、9名で目的地ホノルルに向かいます。23時40分発の羽田からの深夜便に搭乗するころには眠たそうなメンバーもちらほら。逆に興奮して眠れないメンバーも…。

 

8時間のフライトを経て、ハワイ時間のお昼にホノルル空港に到着。南国の暑さ、そしてさわやかな風が出迎えてくれました。そして挨拶は一気に英語に。ドキドキしながら入国審査に向かいます。事前に練習した英語でのやり取りを実践する場がさっそくきました!

 

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入国審査も終わり、空港から外に出るとビリーがスクールバスで空港までお出迎え。見慣れない色の車にメンバーは興味津々。その足でバラエティスクールに向かいます。

 

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とっても広い敷地を有するバラエティスクール。庭にはフルーツの木も。ちょうど食べごろで一つもらいました。

 

スクールで2週間のオリエンテーションと施設見学を済ませたら、ホテルに向かいます。ここから2週間の共同生活の始まりです。

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 スクールの通訳担当のりかさんの力もかりてチェックインは各自で書類を書いていきます。これもすべて将来の経験であり、ライフスキルでもあります。部屋は2~3人部屋でスタッフの部屋にはキッチンやリビングがあり、そこで食事やミーティングをします。

 

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2週間の食事は基本的に全食自炊ですが、初日はスクールが手配してくれたデリバリーで夕食です。

 

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夕食後は1日の振り返りと明日のスケジュール確認、そしてこれから何を学ぶかを話し合い、就寝です。

 

このような形で2週間のサマースクールが始まりました。では、2週間のプログラムでどのように学びを得ていくか、まずはその紹介です。

2週間の滞在中、ビーチタイム、キャンプ、ホースセラピー、フィッシング、ハイキング、ショッピングなど、ハワイならではの活動をたくさんしました。ただアクティビティをするのでは観光ですが、今回はすべての活動にSSTの要素を盛り込んでいます。参加者はスタッフによるアセスメント内容をもとに目的別に3つのグループにわかれ、活動のたびに練習すべきテーマを与えられます。

今回の3つのグループは G1:「柔軟に考える」「臨機応変に対応できる」 G2:「相手のペースを意識する」「自分の意見を伝える」 G3:「発言に責任を持つ」「自分の意見を言い過ぎない」をテーマとしました。

 

たとえばショッピング

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まずはグループごとに買い物リストから決められた数だけ選びます。次に安全を考え、同行するスタッフを選びます。

 

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「英語しか話せないがハワイのことを一番よく知っているビリー」「英語も日本語も話せるが、性格はよくない裵(ぺ)」「日本語しか話せないが、参加者のことを一番よく知っている加藤」 どのスタッフについてほしいか、どのスタッフならば、自分たちの苦手な力を補ってくれるか、本当に真剣に選んでいました。

 

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このように海外でのショッピングという体験の中に「自己理解」「自己決定」「協調性」「問題解決力」などの要素を入れながら実際に活動し、その結果をスクールやホテルで振り返りながらスキルを高めます。

 

 

フィッシングでは「グループに釣竿が1本」「しかけの作り方の見本はスクールで1回だけ見せる」「全員が釣れたら終了」などの負荷(プレッシャー)をグループごとにかけて、将来の自立に向けて何を大事にしないといけないかを学びました。

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スクールで見本を見て練習したことを・・・

 

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湖に行ってから再現し、わからない場合にみんなで知恵を出して助け合いました。

 

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一生懸命準備しているメンバーの横を野生の豚が素通り・・・。本当に大自然の中での活動です。

 

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雲が山にかかり、緑深い湖のほとりでのフィッシングは心も癒されました。

 

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ハイキングも大自然の中、はだしになって川を渡り、森の中を歩き、目的地を目指しました。このときの目標は「予期せぬことがあっても動じない」「不満や苛立ちを上手にコントロールする」でした。

 

週末のアードマンキャンプ場(ホノルルYMCA)ではアルパインタワーやジャイアントスイング、クライミング、アーチェリーを通じて、楽しみの中で自分の意思をしっかり他者に伝える練習をしました。

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空高くそびえ立つアルパインタワー。どの柱から登ってもいいので、頂上までたどりつくプログラムです。安全ロープがついているものの、結構な高さのため、足がすくみます。

 

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途中でギブアップするメンバーもいる中で、あと少し! 頑張って!

 

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大人がしても迫力満点で楽しめました!

 

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最後は頂上からそのままぶら下がりながら降りますが、飛び降りるのも信頼関係あってのことなので、結構勇気が必要でした。でもすごく気持ちいい体験でした。

 

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クライミングでは先ほどのアルパインタワーでギブアップしたメンバーがくやしさから、時間をかけてでも登りきるというたくましさや意志の強さを見ることができました。

 

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その他にもアーチェリー、ジャイアントスイング(ふりこのように空中をスイングする)プログラムもあり、ハワイのダイナミックさを感じました。

 

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プログラム後は自然と現地のスタッフに英語で感謝の気持ちを述べるメンバーもいましたね。

 

ビーチタイムもハワイならではの時間でした。SSTのねらいとしてはマナーもありましたが、一番は「互いに命を守る」でした。バディを組み、お互いにどこにいるかを絶えず確認する「他者意識」も大切なスキルです。

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誰もいないプライベートビーチから有名なハナウマ湾まで、スクールバスで色々なビーチに出かけ、堪能しました。

 

 

食事については、今回の滞在は基本的に自炊でたくさん料理をしました。料理はライフスキルになくてはならないものです。

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スクールでもホテルでも、朝食から夕食まで、そして準備と片付けは常にセットです。

 

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ハワイならではのスパムむすびにもチャレンジしました。

 

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ただ、時には外に食べに行くことも! 有名なハンバーガーショップに行くことや・・・

 

ホームパーティに招待いただき、ご馳走になることもありました。

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本当に広い家でパーティー専用に部屋もあり、メンバーもびっくりでした。

 

その他にも、ビーチハウスを貸し切り、少しリッチな気持ちで学びながらエンジョイする日もありました。

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これはビリーが少し前にハンティングした鹿の肉をステーキにして、みんなに振舞ってくれました。初めての料理に戸惑うメンバーもいましたが、食べてみて全員が「おいしい!」と叫んでいました。

 

 

ただ、楽しい活動だけではありません。今回は自分の社会性を高めることが目的です。そのため、ホテルでは毎日、今日の自分の言動や行動はどうであったか、よかった内容、そして指摘を受けた内容を個別にスタッフと時間をかけて振り返り、明日への目標につなげました。

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スクールで振り返ることもあります。思わず目を背けたくなる自分と向き合わないといけない時間も・・・

 

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学びとなった内容を英語で調べて書くこともしました。わからないことばを調べ、より意識して自分のことばで書くことで意識を高めることがねらいです。

 

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アードマンのキャンプ場でも時と場所を選ばす、自分と向き合いましたね。

 

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このように振り返りの中でメンバーから発信された情報は次の日の朝にすぐスタッフ間で共有し、次のステップをどうするか検討してプログラムに反映しています。

 

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2週間も終わりに近づき、メンバーの様子を遠めで見ながらビリーと加藤でメンバーの成長の大きさを実感していました。

 

このようなことを24時間体制で2週間の期間実施しました。じっくり時間をかけて向き合うことで1週目で自分の課題が見え始め、2週目でより意識して取り組み、克服し、自信につなげることができ、解散時のメンバーの表情は実にいきいきした様子でした。

 

キャンプ終了後の全体説明会と竹田先生との個別面談でも参加いただいた保護者の皆様から嬉しいことばをたくさんいただき、メンバーにとって実りの多い2週間であったことがよくわかりました。次年度もこのプログラムは開催を予定しています。また詳細につきましては作成次第お知らせいたします。

 

最後に、プログラムの趣旨に賛同いただき、最後までご理解とご協力下さいました保護者の皆様をはじめ、参加メンバーや同行スタッフの安全を第一に考え、現地でたくさんのサポートをしていただきましたバラエティスクールのスタッフの方々に深くお礼申し上げます。