ステップアップクラス ワークキャンプ
ステップアップクラスでは、進学や将来の就職、自立に向けて1年間クラスで学び、年度末にクラスでの学びを「就労体験」という実践の場で試してみる取り組みをしています。
今年度は大阪YMCAが和泉市から指定管理を受けている「和泉市立青少年の家」を利用して実施しました。
【1日目】
今回の集合場所は和泉中央駅です。引率をせず直接集合することもアルバイトや就労を見据えての練習です。
集合したらまず全員のスマホを預かります。2日間、ワークに専念できるために、そしてスマホがない環境の中で他のメンバーとのやり取りの時間を大切にすることが目的です。
和泉中央駅から最寄りのバス停まで移動し、そこからは徒歩で3kmを歩きます。今回のワークキャンプの目的の1つに「体力」があります。毎日通う、一定の時間仕事に励む上でも体力は大切です。
自然豊かな山々に囲まれた道を歩くこと40分、和泉市立青少年の家に到着です。
到着したらお弁当を食べて少し休憩をした後、オリエンテーションとしてワークキャンプをする意味、2日間のスケジュール、評価シートに目を通し、どのような項目に気をつけるべきかを確認します。各ワークは2時間、2日間で4回、計8時間のワークに取り組みます。
また、青少年の家のスタッフが名前を呼びやすいようにゼッケンの準備をして、いよいよワークがスタートです。
ワーク① 浴室、およびロビーの清掃
このワークのねらいは「段取り」です。どの手順でどう清掃していけばよいかを考えながら作業に当たります。また、普段も清掃ではあまり行き届かない個所を自分で見つけて掃除することも意識します。
テレビの裏も動かしてみるとホコリがたくさん...。よい気づきです。
浴室掃除も同様に見えにくい場所ほど汚れがたまっている可能性があります。
鏡の水垢もなかなかこすってもとれないので、苦戦です...。
ブラシで床を磨く際にはどの方向からこすっていけばよいか、水に流れ(傾斜)を考えて行う必要があります。
ワーク② ハイキングコース、および展望台の整備
休憩をはさんで続いてのねらいは「気づき」です。ごみはもちろん、利用される方がハイキングコースを歩く際に支障がある枝や石を脇にどけます。
清掃道具を持って出発です。
先が見えない急な階段道を登りながらも周囲に目を向ける、疲れた時ほど真価が問われます。
途中の休憩所の清掃もします。
展望台についたら、階段や周辺の清掃作業です。自分たちで何をすればよいかを考えて行動します。
帰り道も同様にコースに目を配りながら下山します。道中の疲れを綺麗なさくらが癒してくれていました。
入浴と夕食をはさんで夜のワークが始まります。
夕食の片づけは立候補してくれたメンバーが全員分の食器を洗ってくれました。
【エントリーシートのチェック】
今回は参加前にエントリーシートを提出してもらいました。今や大学や就職活動の定番となっているエントリーシート。まずはエントリーシートとはどういうものかを確認します。
その後でメンバー全員のエントリーシートを発表して何が足りないか、どこを修正すればよいかの指導を受けます。
最後に自分の作成したエントリーシートの修正を行い、指導者にチェックを受けます。
自分のことを知らない人にも書いた想いが伝わるかどうか...。合計4時間のワークを終え、疲れてはいますが、最後の頑張りの時間です。
終了した人から就寝準備です。スマホがない生活のため、疲れもあってか就寝がとても早かったです。1日目、お疲れ様でした。
【2日目】
今日も晴天で天気に恵まれました。娯楽が少ない生活ですが、メンバーはその中でも楽しさを見つけていました。
ワーク③ 宿泊室の清掃
チェックアウトした部屋を順次、新規の受け入れができるように清掃、そしてセッティングしていきます。同じ作業をひたすら繰り返すため、ねらいは「効率性と成果主義」です。
「毛布や布団の汚れをとる、押し入れに綺麗にしまう、掃除機をかける」だけでなく、他に汚れている個所はないかを考えて作業していきます。
すべての部屋が終わったら共有部分の清掃も率先して行います。「もしかして?」と気づけると様々な汚れも見えてきます。
昼食と休憩をはさんでいよいよ最後のワーク開始です。
ワーク④ 野外炊事場・ファイヤー場の整備
野外炊事場の清掃、ファイヤー場の落ち葉の除去、側溝の清掃などを行います。ねらいは「持久力」です。最後のワークで疲れもたまっています。また館外での力仕事のため、体力も消耗しやすいです。2時間、いかに体力を維持しながら一定のペースで働くことができるか...。
ワークキャンプ最終日の試練となっている側溝の掃除...。ふたを開けてみると土がびっしり...。これはかなりの重労働です。
みんなで力を合わせて交代で作業に当たります。
終わってみるとこんなにきれいに!
ケガのないように重たいふたを元に戻します。
ワークがすべて終了したら、2日間の振り返りをして、労働に対しての報酬をもらいました。一番うれしい瞬間ですね。
ワークキャンプは経験を重ねるごとによい働き(成長)ができるようになります。また、2日間のワークを通じて自分の強み、苦手なこともよくわかったと思います。継続生はまた学びの1年が始まります。大人社会に向けて、様々なことをクラスで学び、家庭や学校生活で実践しましょう。卒業生はぜひ、次の進路先でアルバイト等を通じて、経験を積み重ねてください。
最後に、今回も活動の趣旨を理解くださり、貴重な就労経験に全面的にご協力いただきました和泉市立青少年の家のスタッフの皆様に感謝申し上げます。