大阪YMCAサポートクラス

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イベント

サポートグループ

 12月4日のサポートグループでは、『ライフスキルとは ~青年期に向けて準備したいこと~』について、サポートクラス主任講師で、言語聴覚士の加藤義弘からお話させていただきました。高学年、中学生の保護者の方中心に20名ほどのご参加がありました。以下の内容が挙げられていました。

 

ライフスキルトレーニングとは 

 ライフスキルトレーニングは、一般社会と自分の感覚とのズレに気づくこと、そして折り合いをつけることを練習します。例えば、『相手の目を見て話を聞きましょう』と学んできた子どもたちも、高学年、中学生になり、会話場面で相手の目をじーっと見つめ続けると、相手は困惑してしまいます。そこで、『相手の鼻付近を見て、適度にうなづきましょう』という新たな学びが必要になります。子ども社会から大人社会への移行に伴い、必要とされるスキルも異なってくるため、一般社会の中でより適切なスキルを身につけていくのが、ライフスキルトレーニングです。

 

●ボトムアップからトップダウンへ

 これまでの療育がボトムアップ方式で積み上げてきたのに対して、ライフスキルはトップダウン方式で、ある目標を達成するために必要な実践的スキルを身につけていく場合が多いです。例えば、学校で教科書に沿って計算の仕方を学んでいくボトムアップ方式に対して、「自分で買い物に行きたい」という目標を達成するために、どんなスキルが必要かということを考え、計算が苦手な場合には、一から計算方法を学ぶというよりも、電卓が使えるようになればOK!とし、電卓の使い方を練習したり、お財布から適切な金額を出す練習をしたりするのがトップダウン方式になります。

 

●体験の機会は大切、でも配慮も重要

 生活の中で必要とされるスキルは、実体験を通して気づくこと、学ぶことが多いため、そのような機会をどのように設定するかということが重要になります。体験の機会を設定する際には、『成功』を伴うように配慮すること、失敗してもリカバリーできる時間配分や機会を改めて設定すること、また、できたことだけでなく、方向性が合っていても評価することが重要になります。

 

●モチベーションを高める

 目標に対するモチベーションが高ければ高いほど、スキルの習得は上がり、般化が進むため、次の体験の機会に対してモチベーションを持って取り組んでもらえるような配慮が大切になります。子どもが「やってみよう!」というきっかけを上手に作り、すぐには定着しにくいこともありますが、継続的に体験の機会を設定していきましょう。

 

 以上のような話に対して、保護者の方々はメモを取りながら熱心に耳を傾けておられ、会終了後も、お子さんのお話や情報交換など保護者の方同士でとても盛り上がっていた様子でした。

 

 次回は、2月19日(土)を予定しています。 テーマは、『次年度に向けて、学校との付き合い方』についてです。