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イベント

里山の達人キャンプ2011 総集編

12月26日~28日まで紀泉わいわい村で里山の達人サポートキャンプを行いました。今年で4回目となるこのキャンプに小学生から高校生まで11名が参加しました。また奈良・神戸YMCAからもサポートクラスのメンバーも参加し、総勢55名が2泊3日を共にしました。

 

このキャンプは古民家を利用して生活力やソーシャルスキルの向上を目的とし、小学生と中・高校生とに分かれ、プレキャンプ時に話し合いで決めたプログラムを役割分担したり、互いに教え合う中で、グループのメンバーが協力し合いながら生活します。4回目となると全食自炊の食事メニューも多彩になり、経験者が初めてのメンバーにまき割りや火つけ、へっつい(かまど)やいろりなどの扱い方を教える場面も増え、メンバー同士で支えあっている様子がよく見られました。

 

 

クリスマス寒波の到来で冷え込む初日、元気に大阪駅に集合し、事前に送付されたしおりに記載されている運賃を参考に、切符を購入します。

IMG_1060.JPG

 

特に小学生は「小人ボタン」を意識していないと交通費がなくなってしまうため、注意が必要です。

切符

 

ICカードに慣れているメンバーにとっては、券売機の操作に手間取ってしまう姿が見られました。
切符を購入できたらホームに上がり、一路泉南へゴー!

 

JRとタクシーを乗り継ぎ、紀泉わいわい村に到着すると…

わいわい村

雪がチラついたり、やんだりの風景がメンバーを出迎えてくれました。寒さが厳しいので宿泊棟で昼食をとり、付近を散策した後、午後からのプログラムの準備開始! 

 

寒さを少しでもしのいでくれるのが囲炉裏です。中高生グループにはキャンプ経験者の「囲炉裏当番」がいて、炭起こしから炭の補充までを3日間担ってくれます。よろしく!

役割

 

午後は中高生が焼き板、小学生は焼き芋です。たき火をするために必要な枝や落ち葉を中高生が集め、なかなか都会ではできないジャンボたき火スタート。

 

 たき火1

 雪がチラつく中、徐々に炎は大きくなり、暖をとるくらいにまでなりました。中高生グループはその火を利用して焼き板をし、小学生グループはわいわい村で採れたサツマイモを投入!

 

焼き芋2

 

焼き芋1

あとは灰を上からかけて保温状態にして、数時間待てば・・・

 

焼き芋3

こんな感じに出来上がりました。中高生グループもおすそ分けをいただきました。

 

焼き板をしている中高生グループはというと・・・

焼き板1

ごしごしたわしでこすり・・・

 

焼き板2

お好みのペイントをすれば・・・

 

焼き板4

オリジナルの焼き板完成! 将来の夢、叶うといいね!

 

さてさて、プログラムが終了したら夕食作りと五右衛門風呂の用意です。家とは違ってお風呂も薪を燃やして焚くため、準備に1時間以上かかります。ボタンを押して待つだけではないのです。みんながそれぞれの持ち場を責任を持って果たしてこそ、家の生活が成り立ちます。がんばろう!

 

お風呂1

五右衛門風呂は栓をして、水をためたら・・・

 

お風呂2

ひたすら、焚きます。火吹きだけという必殺アイテムで「ふぅ~」と何度も空気を送り込み、業火にしていきます。これをメンバーみんなが入り終えるまで2人で交代しながら続けます。

 

お風呂4

根気と体力のいる役割です。1日目は小学生も中高生の宿にお湯をもらいに来ました。「お湯をもらいにくる」、昭和を感じる言葉ですね。

 

一方、食事グループは・・・

お鍋1

材料を切るところからスタートです。小学生はカレー鍋、中高生グループは水炊きです。経験者はなれた手つきで切っていました。

 

へっつい

向かって右がお鍋を作っている釜、左はご飯です。今回は全食のご飯を高校生の準リーダーにお願いしました。ご飯は火の調整が難しい! さあ、うまくできるかな・・・

 

ご飯

ふっくら上手に炊けました! 合格です。お鍋は出来上がったら囲炉裏に移して、ぐつぐつ煮込んだらいただきます! 

 

よそう

落とさないように上手によそって食べましょう! 「おいしい!」という声が連発した夕食でした。

 

お腹いっぱいになったら、後片付けです。家とは違ってみんなでしないと何も始りません。

片づけ

中高生グループの経験者はそのことをよくわかっているので、メンバー同士で話し合って誰が何をするか、決めてから片付け開始です。

 

片づけ2

小学生グループはリーダーと一緒に片づけをしました。

 

 夜のプログラムはナイトハイクです。3人のグループで懐中電灯を1つ持って、わいわい村に点在するお札を取りに行きました。

ナイトハイク

 

1日目のプログラムが無事に終了し、あとは今日の振り返りと明日の予定の読み合わせ、そして就寝準備です。

振り返り

 

就寝準備

シーツも2人で協力して敷いていましたね。このような連携や協力も互いにお願いしたり、暗黙の了解で進めたりします。何気ないことなのですが、そういう時こそ、ソーシャルが大切なポイントでもあります。
10時には就寝しました。

 

 

 

2日目、うっすらと雪が積もっている個所が見てとれるわいわい村を早朝に散歩し、朝の掃除を済ませたら朝食作りスタートです。

 

掃除

朝の7時から家の掃除、なんて規則正しい生活なんでしょう! 朝食作りも役割分担して準備開始です。

 

朝ごはん

みそ汁の材料を切って・・・

 

朝食2

 お助け帳に書いてある通りに、味噌をとかし・・・(湯気で前が見えない!)

 

七輪

七輪で魚を焼けば・・・

 

朝食完成

朝食の完成です。さあ、たくさん食べて、2日目もがんばりましょう!

 

午前中、小学生はわいわい村を探検してグループの旗作りをしました。

旗作り1

 

旗作り2

思い思いのイメージを描き、完成! 早速宿に飾りましょう。旗が完成したら、朝に炊いたご飯をつぶして五平餅づくりです。つぶしたご飯を木の棒にはり付け、七輪で焼いていきます。

 

五平餅

「塗っては焼き・・・」の繰り返しで、香ばしいにおいがしてきました。おいしそうですね。

 

一方、中高生グループは・・・、「パンとシチューでおしゃれランチ」の準備中です。このプログラム、スタッフは一切手伝いません。パン作りも高校生の準リーダーが教えてくれました。

パン作り

 

シチューは経験者が行うので、野菜切りから火つけまで手慣れたものです。

野菜切り

包丁の扱いも安定しています。繰り返しの経験ってすごいですね。「自立」はこの繰り返しの連続の結果なんでしょうね。

 

シチュー

こうした努力の甲斐あって・・・

 

シチュー

こんなにおいしいシチューと・・・

 

パン

石窯でこんなにふっくらしたパンが出来上がりました。クオリティーが高いです! いただきます。

 

 

午後からは秘密プログラムとしてSST(ソーシャルスキルトレーニング)を目的とした「紀泉縦断YMCAクイズ」をしました。

クイズ5

YMCAの歴史や他のYMCA(神戸・奈良)の問題について、「人に聞く」というスキルを色々な場面で体験しました。忙しい人に話しかけるにはどんな言葉づかいがあるのか、またプログラムに忙しくて断られたときはどうしたらいいかなど、練習した上で実践するSSTプログラムです。

 

クイズ3

 

クイズ2

相手が忙しいときは聞きたい気持ちを抑えてあきらめることも必要です。問題の内容を他者に分かりやすくどう伝えたらよいか考えることも試行錯誤しながら練習しました。

 

夕食は小学生がシチュー、中学生は焼き鳥と各グループ違うメニューでしたが、1日目同様に自分達で作ったご飯を「おいしいね」とうれしそうに食べる姿が印象的でした。中には「こんなに時間かけて(お母さんは)毎日してくれてるのか・・・。なんかそういう(感謝した)気持ちで食べなあかんな・・・」と日ごろの生活を振り返っているメンバーもいました。日ごろ、当たり前の生活を振り返る機会を誰もが持てたのではないかと感じています。

 

夕食後は神戸・奈良YMCAとの交流会を楽しみました。時間の合間にみんなが集ってこんな場面も・・・

ウノ

みんなが集うことにより、プログラム以外の時間も楽しい一時に変わります。これもキャンプのよさですね。

 

 

3日目、今日は比較的あったかな1日でした。早朝散歩と朝食作りを済ませ、チェックアウトした後、小学生グループは牛乳パックで竹トンボを作って広場で遊びました。
中高生グループはキャンプの中で最大のイベント、「ラーメン対決」です。3人1組で自然のものだけを使って(太い薪以外)、お湯を沸騰させ、ラーメンを作るというものです。家では15分もあれば出来ることですが、「野菜を切る」「薪の変わりになる材料を集める」「火つけ」など、どう段取りをするかも見通しを持つ練習です。それではスタート!

 

材料

グループで話し合ってたくさんの落ち葉や枝を集めてきています。最初に火がつくのはどのグループか・・・。

 

対決1

湿った落ち葉を集めてきたグループは苦戦を強いられています。なかなか火が広がっていきません。仕方なく新聞紙を一枚だけ投入を許可! すると・・・

 

対決2

一番早くに沸騰状態に! このまま逃げ切るかと思いきや、隣のグループも沸騰! 麺を投入! でも野菜をまだ入れていないよ!! 指摘すると「しまった!」とすぐに野菜も投入。段取りって大切ですね。

 

対決3

おいしいラーメンが出来上がりました。よくがんばりました!

 

小学生グループは昼食にスパゲッティーを作って食べ、デザートにバウムクーヘンを作りました。

バウム

ゆっくりまわしながら塗っていきます。

 

バウム2

地道な作業でしたが、けっこうおいしく出来上がりました。やったね!

 

3日間、暖房器具や家電のない生活でしたが、子どもたちは柔軟に対応し、自然の力を上手にかりながら過ごすことができました。年々子どもたちのできることが増え、プログラムも多様化しています。経験を積めば積むほど、スキルも上がり、キャンプ自体を上手に楽しむことができています。毎回記録しているスキルアップシートもレベル2になるメンバーも増えてきました。
役割を果たすごとに達成感を覚え、同じ宿で過ごしたメンバーとの間に仲間意識が生まれ、生活を共にする中で「生きる力」を色々な場面で育むことができました。また来年度も達人キャンプを予定しています。たくさんの参加をお待ちしています。