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イベント

里山の達人サポートキャンプ 中学生グループ 総集編

12月26日(水)~28日(金)まで、今年で5回目となる里山の達人キャンプを紀泉わいわい村で行いました。年々参加者が増え、今回は小学生9名、中学生8名の計17名で2泊3日を過ごしました。このキャンプは古民家を利用して生活力やソーシャルスキルの向上を目的とし、小学生と中学生に分かれ、プレキャンプ時に話し合いで決めたプログラムを役割分担したり、互いに教え合う中で、グループのメンバーが協力し合いながら一つ屋根の下で生活をともにします。

 

5回目ともなると経験年数にひらきも出てくるため、今回は8人を3つの小グループに分け、経験年数やスキルの違いによってリーダーからの負荷のかけ方を変化させながらプログラムを行いました。

 

1日目、早朝に大阪駅に集合し、挨拶を済ませたら交通機関を利用して出発です。切符の購入し、JR紀州路快速で最寄り駅を目指します。

切符

 

タクシーを乗り継ぎ、紀泉わいわい村に到着すると今回一緒にキャンプをする神戸YMCAと奈良YMCAがすでに到着をしており、合同で開所式をしました。

開所式

 

開所式ではこの村での安全に楽しく過ごすための約束の話をしました。その後、曇り空で寒さも厳しいため、研修棟に移動し、グループでまとまって昼食タイムです。

昼食

 

昼食後はグループでミーティングです。グループ名を決めたり、グループで仲良く生活するための約束事を決めました。「役割を最後まで行う」「話をしている人の方を向き、話を聞く」などがあがっていました。

話し合い

 

リーダーからもこのキャンプで個々に頑張ってほしい目標を渡し、しおりにはってもらいました。

目標

初めての参加者は「これって一人ひとり(目標が)違うの?」と少し驚いた様子で、周りのメンバーがどんな目標なのか興味津々でした。

 

さて、話し合いも終了したので早速プログラムに入っていきましょう。今回のクラフトは凧作りです。しかし、ただ単に凧を作るのではなく、「半分サイズの凧の型を使って、1枚のビニール袋から2人分の凧を作り出す」というお題を出し、考えてもらいました。もちろん凧の型は1つしかないので、3つのグループが貸し借りしながら考えてもらいました。アイデアがひらめいたらリーダーに伝えます。それで正解すればはさみをゲットでき、型をくりぬきます。ヒントはグループのスキルによって変わります。

凧1

ビニール袋のどこに型を合わせたら、効率よく2人分を作れるのか、話し合いを重ね、試行錯誤し、結果をリーダーに言いに行くという連続でしたが、諦めず考えていましたね。

 

凧

型がうまくとれても切る時は仲間の助けが必要です。なぜならビニールを切るのですから・・・。ピーンと引っ張ってもらい、すばやく切っていきます。今日は作成で時間が過ぎてしまたので、明日、また凧揚げしに広場に行きましょう。

 

さあ、達人キャンプ初日の夕食作り、そしてお風呂炊きです。「ご飯」「お鍋」「お風呂」の3つの仕事のうち、どれをしたいか話し合いで決めてもらいました。「したい気持ち」だけでなく、自分達にできるのかどうかも考えた上で役割を決めます。そうしないと「ご飯こげこげで失敗してしまった・・・」という結末になり、ご飯だけ食べられない事もあるので・・・。

 

お風呂1

お風呂はまず水をはってから釜で火を焚いて行きます。

 

お鍋

お鍋係りは冷たい水を我慢しながら野菜を洗い、お助け帳の「野菜の切り方」を参考に切っていきます。

 

火つけ1

なたで木を細く切り、火つけのためにかまどで組んでいきます。1回目で火がつくかな・・・?

 

火つけ2

さすがは達人キャンプの経験者。一発で火つけ成功! さあお釜の水を沸騰させていこう。
その横ではご飯係りが火つけに苦戦中。でも諦めずに頑張ろう!

 

15時30分から始まったお風呂とご飯準備も18時にはみながお風呂を終え、ご飯とお鍋もでき上がりました。それではみんなの頑張りに感謝して、「いただきまーす!」

夕食

いろりにお鍋を移し、風情ある光景です。これぞ古民家ですね。あっという間に水抱きは完売状態に・・・。

 

洗い

ご飯を食べたら後片付けです。家と違って大きな釜も洗わないとね。夜になり、水もいっそう冷たかったのですが、頑張って洗ってくれましたね。薄暗いため、懐中電灯で照らしながらの作業でした。

 

お皿

お皿洗いも、「荒い」「すすぎ」「拭き」を分担して行っていました。協力するってこういうことなのですね。

 

さて、夜は里山の達人キャンプ初のウィンターキャンプファイヤーです。

キャンプファイヤー

風がなかったので寒さもそこまで厳しくはなく、火のぬくもりやありがたさを感じながら歌ったり、踊ったりしました。リーダー個人としては夏より冬の方が火の光が幻想的でとても印象に残りました。

 

今日のプログラムをすべて終えたら、宿舎に戻って今日の振り返りと明日のスケジュールの確認です。

MTG

 

そして就寝準備です。

就寝準備

 

就寝準備2

布団を押入れから出し、シーツをかけるという作業です。自分でできる事は自分で行う、これも自立に向けて大切なスキルですね。

 

荷物チェック

荷物もこのように明日の服以外はリュックに入れています。さすがですね。それではおやすみなさい。

 

 

 

2日目、まだ薄暗い中の起床から1日が始まります。

掃除

 

掃除2

自分の布団を押入れにしまい、家の掃除をしてから朝食準備にとりかかります。

 

昨日の夜同様にグループごとで役割決めをして準備開始です。

ご飯炊き

いい火力でおいしそうな湯気があがっていますね。これはおいしそうな予感!完成は・・・

 

炊き上がり

じゃーん。こんな風に炊き上がりました!

 

鮭焼き

外では七輪で鮭を焼いています。炭火でじっくり焼いていきましょう。焦げないように気をつけて!

 

朝食

朝食も無事でき上がり、みんなでいただきまーす!

 

後片付け

何かをすれば後片付けもセットでついてくる生活。文句を言うことなく、しっかりできていました。

 

午前中は焼き芋作りです。みんなで村に落ちている枯れ枝や落ち葉を集め、大きな焚き火をし、その中にサツマイモを投入します。

焚き火

焚き火をするため、まず刈り取った稲を下に敷き、その上に枝を置いていきます。火か強くなってきたらどんどん枝を入れていき、その火が弱まった頃にサツマイモを投入して待つこと1時間半・・・

 

焼き芋1

真ん中に見える銀色のものがサツマイモです。掘り起こして中をあけてみると・・・

 

焼き芋

ほかほかでおいしそうな焼き芋の完成です! いただきまーす!

 

朝から食べてばかりですが、そうこうしているうちにまた食事の準備(昼食)です。用意に時間がかかるため仕方ないですよね。
お昼はダッジオーブンで鳥の蒸し焼きを作ります。この調理には大量の炭を使うため、みんなで炭おこしからスタートです。

炭お越し

 

その炭の上にダッジオーブンをのせ、ふたの上からも炭をのせ、上下からの火力で鳥を蒸し焼きにしていきます。

蒸し焼き1

 

じっくり待ってからふたをあけてみると・・・

蒸し焼き2

鳥のエキスがスープに混ざって絶品の蒸し焼き料理が完成しました。昼食作りも大成功。炊き込みご飯と一緒にいただきました。

 

お昼からは昨日作った凧あげをしました。

凧揚げ

風をつかむと空高くまであがり、楽しかったですね。隣同士で絡まないように気をつけて。凧あげの中には地をはうように飛ぶ凧もありましたね・・・。

 

 さあ、そろそろ夕食作りとお風呂炊きの準備開始です。2回目ということで段取りもわかり、手際よくみんなが取り掛かっていました。

ご飯炊き

 

夕食はみんなが楽しみにしていたバーベキューです。

バーベキュー

お肉争奪戦になりかねないので、食べる時の約束を決め、わいわい立食パーティーをしました。

 

バーベキュー2

野菜もちゃんと食べましょうね。それにしてもよく食べる中学生グループ。ことごとくお肉はなくなり、トン汁の「豚」までなくなり、リーダー達がとろうとした時にはただの野菜スープになっていました。

 

夕食後は研修棟で小学生グループと中学生グループ、そしてリーダーからゲームの出し物をして楽しみました。
2日目を終え、キャンプにも慣れてきたため、準備も早くなりこんな風にだんらんできる余裕も生まれてきました。

だんらん

 

 

 

3日目、天気がすぐれませんでしたが、最終日という事もあり、子ども達は少しウキウキ? 「今日でやっと終わりかぁ・・・」と口々に言い始めます。確かに大変な生活ですからね。

3日目の朝食はホットドッグです。夏のキャンプでの作ってみて好評だったので、また採用されました。パンは古民家らしくいろりであぶりました。

ホットドッグ

 

その出来栄えは・・・

ホットドッグ

お見事! おしいそう! コーンスープと一緒にいただきました。

 

午前中はまず秘密プログラムとして「赤ペン探し」をしました。わいわい村の中に点在する8箇所のポイントをめぐり、キャップに色シールのついた赤ペンを4本探します。ただし、同じ色を探す事。そしてポイントに行っても目的の色がない事があります。また違うグループでも同じ色を探している可能性もあります。どう計画をたて、早く探し出せるかを競いました。安全を考え、グループで行動すること、歩いて行動することが約束として追加されています。

 

まずは赤ペンをどう回収していくか、作成タイムです。

赤ペン探し

 

さあ、この地図を頼りに一斉にスタートです。

地図

効率よく回れるグループもあれば、同じ色を求めて2つのグループが互いに2本ずつ持っているため、途中で「探しても見つからないぞ!」と苦戦するグループもありました。グループ同士がただ競うのではなく、相手が何を求めているのか、手の内を隠しながら探るという力も必要になるプログラムでした。

 

達人キャンプ最後のプログラムはラーメン対決です。自然の材料を集め、どれだけ早く水を沸騰させ、ラーメンを作る事ができるかを競います。それと同時に火つけの試験でもあります。
まずは下準備から。

 

対決1

 火かつきやすいように大量の落ち葉を集め・・・

 

対決2

今までの経験を思い出しながら木を組んでいきます。

 

対決3

それと同時に野菜も切っていきます。しおりの中のお助け帳をしっかり活用できていますね。すばらしい!

 

対決4

鍋は終わった後、洗いやすいようにクレンザーで覆っておきます。野外のまめ知識です。

 

すべての準備を終えたら、よーいドン!

対決5

さあ、火はうまくつくのか? この時は一番左が優勢。右はまだ火がついていないぞ! それから少し経過すると・・・

 

対決6

一気に右が追い上げモード。左は鍋の水が多すぎることに気づき、遅れを余儀なくされました。なかなかシビアな対決になりました。

 

対決7

一番早いグループは50分かけて5人前のラーメンを完成させました。

最後まで火つけに苦戦したグループは他のグループに火を借りるなどして完成させていました。素直に「頼みにいける」、これも生きる力です。みんな頑張りました。

 

この3日間の中で中学生グループに対して、あえて厳しく接する場面もありました。キャンプでは自分ひとりで生活しているわけではなく、集団で生活しているからです。その社会の中で生活するためには自分の思いを少し抑えることも必要になってきます。また「できない」から「やらない」という考え方ではなく、「できない」から「あなたはどうするべきか」をかなりの時間をさいてリーダーは待つこともしました。これは時間が限られている普段のクラスではなかなかできないアプローチです。3日間という時間の中だからこそ、生活をじっくり見ることができ、子ども達の葛藤や試行錯誤にリーダーも時間をかけて向き合う事ができました。この経験がまた1月からのクラスに活かされることを願っています。ご参加いただきありがとうございました。
 

そして、色々と無理なお願いごとを親身に聞いて、子どもたちのペースに合わせて協力いただきました紀泉わいわい村のスタッフの方々、本当にありがとうございました。