てくてくクラス
船長さんの命令ゲーム
小学1年生のあるクラスでは、聞く力や体の動きのオンとオフを狙いとしてクラスの少しの時間、「船長さんの命令ゲーム」に取り組んでいます。
最初はルールの理解が難しく、どこにおもしろさがあるのか、わからなかった子もいましたが、その子が先週、ゲーム中に突然「わかった! そういうことか」と嬉しそうに叫びました。わからないなりにもあきらめずに何度か練習した成果でした。時間をかけてこの瞬間に、ルールの意味と自分が行っている動作がつながったのでしょうね。
療育をしているとこんな瞬間に出会える事がたくさんあります。つながった瞬間の子どもの笑顔は忘れる事が出来ないくらい印象的です。トレーニングはすぐには成果は出ないことが多く、何度も同じことを繰り返しする事も多々あります。しかし、すべては「できた」を1つでも多く積み重ね、子ども達の自信やモチベーションにつなげていきたいという狙いがあります。
今ではこのゲームでグループのメンバー同士が、引っ掛かりそうな場面で互いに行動を見つめ合い、だれか間違えていないかを見る余裕さえ出てきました。また騒がしくなっても「船長さんの命令です」と言うと途端に耳を澄ませて命令を聞く姿勢を作りだします。スキルの習得は子ども心をくすぐる「楽しさ」が大前提です。楽しさを交えながらこれからも聞く力や体の使い方を学習していきましょう。