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卒業公演報告

 3年間の集大成「卒業公演」が、今年も無事終了しました。公演に向けて指導をしてくださった先生方、無事公演を迎えられるように体調管理などをしていただいたご家庭の方、そして何より、舞台衣装で多大なるお力添えをいただいた大阪文化服装学院の皆さま等々、多くの方に支えられていることを実感した一日でした。無題.JPG

 もちろん本番まで様々なことが起こりました。リハーサルに来ない・・・セリフを覚えていない・・・まさか当日にも来れないかも・・・と、担任たちはハラハラドキドキでした。また本番でも「音が出てない」「声が聞こえない」「セ、セリフが・・・」と、アクシデントはありましたが、自力で乗り越えていく生徒たちの姿を見ていると、本当に成長しているなあと感激しました。

 舞台衣装担当の大阪文化の学生さんたちも、リハーサル以上に本領を発揮していただきました。指導されている大阪文化の先生方は、リハーサル時にはとても厳しく接しられていましたが、本番当日の舞台裏では、時間管理をされているだけで、完全に学生を信頼されているという姿勢に感銘を受けました。

 

 私たちは一人では生きていけません。それは頭では理解していてもつい忘れてしまう毎日です。でもこの卒業公演という1イベントを通して、私たちが生きていくうえで大切なことは、「人と何かを共有する体験や時間」をどれだけたくさん持てるかということだと、改めて学ぶことができました。

 

最後にストーリー全体を表現した最後の主人公キタムーのセリフを紹介します。

「今までの話は、全て僕の頭の中で起こったことだ。僕が勝手に創造した物語だ。僕は昔から、何かにつけ、穴に逃げ込む癖があった。その穴は、僕にとって、とても都合のいい穴だった。僕の思い通りになる穴だった。でも、年々、その穴は大きくなり、知らず知らずの間に、底が見えないくらい深くなってしまった。いつしか僕は、穴の中に入っても、怯えて暮らすようになっていた。正直、ここを卒業してから、どうやって生活していったらいいのか、まだわからない。表コミにくるまでが、不安だったように、次の世界に行くのがとても怖い。・・・中略・・・慣れ親しんだ環境もガラッと変わる。本当にやりたいことが見つかるのだろうか。仲間はずれにされないだろうか。そんなことを毎日うだうだ考えていたら、僕の目の前に都合のいい穴が現れた。その穴に入っちゃだめだってわかっているのに。そんなことわかっているのに。中々変わるのは難しい。

勇気がほしい。強くなりたい。でも背伸びはしたくない。僕は僕だから。だから、多分、これから、また、穴の中に入ってしまうことがあるのかもしれない。でも、表コミでの3年間の経験があるから、穴から出ることもできるようになった。少しづつだが、絶対に前には進んでいる。それはわかる。」

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