3年生総合学習 世界の富はどうなってるの?

表コミの総合学習は1年生から「自分と相手を大切にする」ことを、みんなで考え、対話しながら学んでいきます。 最初はクラスの中の小さなモヤモヤや、友人関係の「こんな時どうする?」といった身近な問題から考え始め、3年生になると「世界の中の自分」を見つめ、格差や環境問題、戦争や平和について考えていきます。  

6月から始まった総合学習。3年生はSDGs(持続可能な開発目標)を知ることから始まりました。前回はその中でも4番の「質の高い教育をみんなに」というテーマについて学びました。  

文字が読めないことを体験するワークショップでは、「もしかしたら大切な人に毒を飲ませて死なせてしまったかもしれないと思うと怖くなった」「勉強できることは"あたりまえ"ではないことに気づいた。だから自分は感謝してしっかり勉強したいと思った。」と、大切なことに気づけた人も多くいました。

IMG_0046.jpg  世界の中の教育に必要な資金と、ゲーム市場や軍事費の規模は、テープの長さで体感しました。世界中の全てのこどもたちが高校まで行くために必要な援助額が40cm(4兆円)なのに対し、ゲーム市場は1m30cm(※1:13兆3,800億円)、軍事費に至っては19m10cm(※2:191兆円)と、教室を一周してもまだ余るほどの長さでした。感想の中には「軍事費を少しでも教育にまわせたらいいと思うけど、それができないのはどうしてなのかな?と思った」と、世界の仕組みに対して疑問を持つ姿も見られました。

IMG_0048.jpg  そして、今回は世界の「富の分配」を知る授業。配られたカードのマークを元に、グループに分かれます。それぞれのグループに課されたミッションは同じ。「グループに配給されたお茶を、1人ずつの量が均等になるように分けること」。環境の違いもあり、机と椅子があるグループ、椅子だけのグループ、立つしかないグループと分けられていました。

IMG_0056 (1).jpg 「多く持っているグループに対して怒りの気持ちが出てきた。観光客から盗めばいいと、世界でスリが多くなる気持ちもわかる。こっちはたったこれだけ(コップの底から2cmにも満たない量)で生活しなければいけない。生きるためには奪ってもいいと思ってしまう気持ちが分かった。戦争や紛争をしてでも奪いに行きたいという気持ちも分かった。」「たくさんあるから、もう飲みたくないと思った。少ないグループに分けてあげたいと思った。」「少ないグループを見たら分けてあげたいと思ったけど、自分たちもコップの3分の1くらいしかお茶がない。分けたら自分の分がなくなってしまうから、多く持っているグループが分けてくれたらいいのにと思った。」とグループごとに様々な意見が出ました。  

IMG_0054.jpg  世界の富の分配がとても偏っていることを実感した3年生たち。そして、その偏りの中でも、私たち日本人は多くの富を所有している側であると気づき、それぞれに考えを深めている様子が伺えました。  残りの総合学習も、フリージャーナリストの方を招いて戦地の現状に触れたり、SDGsについて学びを深めていく予定です。「教室から世界平和を」。表コミ生1人ひとりが、"地球市民"として羽ばたいていくことを願って、これからも様々な気づきと学びの活動を展開していきたいと思っています。

※1 世界のゲームソフト市場:13 兆 3,800 億円→1m30cm (出典:Global Game Market Report2018/https://newzoo.com/)

※2 世界の軍事費:191 兆円→19m10cm (出典:SIPRI Military Expenditure Database/https://www.sipri.org/)