表コミ国語ってどんな感じ?
社会の中で生きていくうえで、重要な力として「国語力」があります。
自分のことを他者に伝えたり、他者の思いを汲み取ったりする上で言葉は欠かせないものです。
生きた国語力を養成することを目標に、国語科で実践している授業をいくつかご紹介します!
作文
自分の思いや考えを文章によって伝える練習をする授業です。
きれいな文章ではなく「伝わる文章」を書くための学びを行います。
表コミでは様々な場面で自分の思いや考えを書くことを行います。
まずはとにかくアウトプットすること、そこから「適切に」表現することを学んでいきます。
適切な表現のために文法事項や、正しい日本語の知識を学ぶことはもちろん、
アクティビティを通して国語の楽しさや文章を書くことの達成感が得られるようにしています。
1年生では、ロイロノートを使用し、テーマに沿った文章を書くための事前準備を行ったり、
アクティビティを行ったりしています。ロイロノート内のシンキングツール「くらげチャート」を使用し、
漠然としたテーマを具体化して考え、それを文章化していきます。
授業では「1年後の自分」というテーマで、1年後にどんな自分でいたいか?
どんなことができるようになっていたいか?という視点で考えました。
最初は「1年後の自分って言われても想像がつかない」と言っていた生徒もくらげチャートを使うことで具体化し
「笑顔でいたい」「英語力アップ」「友達を増やす!」と様々な意見を出せるように。
それを材料に「1年後の自分」というテーマで作文を書きました。
文章を書くためにはその骨組みとなる材料を集めていくことが重要です。
文章の書き方、構成の方法を学ぶ中で文章を書くことの楽しさを感じられるようにしています。
現代の国語・現代文
説明文や小説などの文章教材を読解するなかで、豊かな文章表現を学びます。
2年生の「こころ」の授業では、物語の中で描かれている場面を別の登場人物の視点で捉えなおし、
文章で書いてみるワークを実践しています。最初は視点の切り替えに苦慮する生徒もいます。
しかし段々と「これは「私」しか知らないことだからK視点の文章には書くべきではないな」という声が聞こえるように。
ただ文章を読むだけではなく、手法を変えて捉えなおすことによって、登場人物の主観ではなく、
俯瞰的な視点で物語を読む力を育んでいきます。
3年生の「舞姫」では、登場人物の女性を花に例えると?というテーマで物語を多角的に捉えるワークを行いました。
花言葉から考える生徒もいれば、登場人物の性格や容姿から考える生徒もいました。
このようなワークの中で物語を多面的に捉え、深く思考する力を身に着けていきます。
その他、漢字や語句の意味、四字熟語など生活の中で活用していける語彙の習得を目指し、問題演習などを行っています。
古典
古典文学を楽しみ、知識の習得を目指します。古典文法は歴史的仮名遣いから学び始めます。
現代の日本語と古語の違いに気付くことから古典の学びをスタートさせます。
物語読解は、歌物語や説話集など幅広いジャンルを扱います。
古典の物語の背景に潜む文化や考え方を知ることで、今を生きる私たちが何に生かせるのかを考えます。
2年生のクラスで「沙石集」を扱いました。「沙石集」は説話集の一つであり、物語の最後には教訓が書かれています。
物語を読み解いた後に、筆者が伝えたかったことは何なのか、ということを考えました。
扱った短編は「児の飴食ひたること」というお話です。
飴を独り占めしているけちな坊主とそれを食べたい児のやりとりを描いた作品で、
聡明な児の策略によって、坊主は飴はもちろん、大切にしていた水瓶さえ失ってしまうという作品です。
ここから得られる教訓は何か?という問いに対して「欲張るのはよくない」「児に優しくしていればよかった」など
様々な意見が出てきました。
古典文学という一見、とっつきにくい分野の内容を今を生きる自分たちと結びつけることで
自分事として捉えることを目的にしています。