岩坂 礼
表コミだったからできた授業や友だち、先生と出会えたことが嬉しかった。

1.表コミに転編入しようと思った理由
グループ感がないクラスの雰囲気が良いと思い、表コミに決めた
高校に入ってすぐに行くのがしんどくなり、夏過ぎからご飯を食べることも難しいくらいの状況になった。
学校に行きたくないことを母に伝えたいけれど、なかなか伝えられず、何日目かに「学校嫌やねんけど」と自分の気持ちを伝えることができ、自分の気持ちに対して母は「そんなんや」と共感してくれて、とてもホッとした。
その後、母から「不登校の子たちがいく学校があるよ」と言われ、それまでそんな学校があると知らなかったので、見学に行こうと思った。
3校ぐらい見に行き、グループ感がないクラスの雰囲気(フワフワした感じ)が良いと思い、表コミに決めた。
2.表コミに転編入した時の自分の気持ち
気を張らなくても良いかもと思えた
初日は、全てが初めてのことで、使ったことのない神経を使った感覚で、今でもすごく覚えている。
あんなにも引きつった笑いをしたのは初めてで、帰り道が眠たくて眠たくて・・・。
男子は、今まで出会ったことのないタイプの人たちで、表コミを選んで良かったのかなと悩んだ。でも、1週間ぐらい経つと自然と気持ちが落ち着いてきた。落ち着いたきっかけは、クラスメイト。
あるクラスメイトのことを他のクラスメイトが「今日も来ないんかな」と言っていて、「今日も?いいの?」と思った。その次の日に、休んでいたクラスメイトは学校に登校し普通に過ごしていて、「これが普通の世界?」ととっても不思議だった。
その瞬間、気を張らなくても良いかもと思えた。
他にも、ホームルームで自己紹介や質問コーナーがあり、みんな思ったより気さくに質問してくれ、クラスの雰囲気がやわらかく、笑顔で話してくれて、明日からも頑張って来ようと思えた。
3.実際に転編入して良かったこと
何よりも授業が楽しい!と思うことが増えた
すでにグループとかできていると思っていたけれど、割と話しかけてくれたり、輪の中に入れてくれたり、とっても気遣ってくれて安心できた。
勉強も苦手だったが、「どうせできない」と言い訳しなくなった。授業中、眠たくなくなり、真面目に取り組めるようになった。何よりも授業が楽しい!と思うことが増えた。
勉強は、ずっとやる意味も無いと思っていたし、やる気もなかったけれど、表コミの先生はテストだから勉強しなさいとか、なんでできないの?と言わなかったので、自分から進んでやりたいと思えたし、授業も寝ずに受けようと思えた。みんなも真面目に楽しく受けるので、楽しかった。
演劇があり、自分を出せるところがあった。
先生たちのイメージが変わった。先生=壁があるというイメージだったけれど生徒とここまで打ちとけられるなんてすごいと思った。
テスト勉強(定期試験)をするようになった。
保健室のイメージが変わった。いい場所なんだな~と思った。

4.実際に転編入してイメージと違ったこと
全てが上手くいくわけではない
全てが上手くいくわけではなく、表コミ在学中もしんどい時がある。でも必ず、寄り添ってくれる人がいて、助けてもらえた。
5.表コミで過ごして、今どんな気持ちか
しんどい時期もあったけど、あの時期があったからこそ今がある
高校2年生でほとんどみんなと打ち解けることができたし、授業や毎日の過ごし方も慣れて、本当に楽しかった。
高校3年生の時に友だちと上手くいかず、しんどい時期もあったけど、あの時期があったからこそ今があると思う。
何よりも、表コミだったからできた授業や友だち、先生と出会えたことが嬉しかった。
6.転編入を悩んでいる高校生に伝えたいこと
自分のやりたいことを小さなことでいいので見つける
良くも悪くも何かしら変わりたいと思っていたら、何か新しいことを始めてみたり、始めなくても変わりたいとことを考えるだけでもいいと思う。
自分のやりたいことを小さなことでいいので見つけると、いつか必ず考えたことが役に立つ時がくる。
でも考えることも嫌な時は、やめてもいいと思う。もしいつか考えられる時が来た時に、また始められたらいいかな。
変わっていける場所があったらいいな。