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卒業式 3年生答辞 ~Part.2~

 いよいよ卒業の時が来ました。表コミで過ごす日々が今日で終わってしまうのだということを、今ここに立ってみてしみじみと感じます。長いようで短かった3年間でした。

 3年前の私は、今の自分を想像できなかったでしょう。今日、卒業を迎えられたのは表コミでのクラスの皆と出会い、先生やボランティアの皆様の支え、そして家族を含めここにいる皆さんのサポートがあったからです。本当に、感謝してもしきれません。

 表コミの在校生の皆さんの中には、過去に不登校の経験がある人が多いのではないかと思います。私も小学校5年生の時に不登校になりました。毎日を家に引きこもって過ごすうちに、私は他の人のように普通に学校に通うことができない自分に、劣等感を感じるようになりました。周りの人の対応が変わったことも、劣等感を感じた理由の一つかもしれません。唐突に自分の言葉が人に通じなくなったような不安感がありました。中学時代は学校には行かず、時々フリースクールに通いながら家で過ごしていましたが、同時に「ずっとこのままではいられない」という焦りを感じていました。そして将来を考えて、ある高校を受験することにしました。それが表コミです。

 オリエンテーションで初めて登校した時はすごく緊張しました。一年生の最初はそういう状態が続き、クラスの雰囲気にうまく馴染めませんでした。話せなくなって黙り込むことも多かったので、迷惑をかけていたと思います。そんな状態が変わり始めたのは阿南に行ったときでした。それまでは名字で呼ばれていましたが、名前で呼んでくれるようになり、そこから少しずつ話せる人が増えました。2年に進級すると表コミにも慣れてきて、様々な行事を楽しむ余裕も出てきました。そして去年、3年に進級した時、表コミにいることができるのも後1年だと思うと、さびしかったです。そして自分がさびしいと感じていることに気付いた時、私にとって、表コミで過ごす日々が知らないうちに大切なものになっていたのだ、と思いました。

 1年生2年生の中には不安を抱えながら登校している人もいるかもしれません。でもここにはあなたのことを気にかけ、自分の事のように心配してくれる人がたくさんいます。そのことを忘れないでください。そしていつか表コミが、あなたにとっても大切なものになるように願っています。

 この3年間、表コミで過ごした時間は私にとってとても大きなことでした。小学校、中学校でできなかった楽しい学校生活を過ごせましたし、気の合う人とも出会えました。この場所に来て自分自身が大きく変わった気がします。けれどそれは今までの自分が消えてしまったわけではなく、不登校という経歴も含め自分を認められるようになったということだと思います。なので「自分が変わった」というよりは、「自分の短所も受け止めて前に進もうと思えるようになった」という方がいいのかもしれません。

 次の進路に進んでも表コミで過ごした日々は忘れません。3年間お世話になりました。最後に表コミのクラスの皆や先生方をはじめ、この場所で出会い今まで共に過ごしてきた人達への感謝の言葉で終わりたいと思います。ありがとうございました。

 

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***** 在籍生の7割が不登校経験者の学校 *****

 

 

大阪YMCA国際専門学校高等課程 表現・コミュニケーション学科