トピックス

ゲストティーチャー part2

毎回、様々な業種の「大人」をゲストに招き、仕事についてのお話をして頂く、3年生の総合学習。今回は「広告代理店の営業の仕事について 尾川朗さん」にお越し頂きました。尾川さんは表コミの広報を担当して下さった方です。

CIMG5964.JPG

 

 

仕事選びについて図図.doc)を使い、説明して下さいました。Aは親から勧められた裁判所の調査官。魅力に感じたが、自分にとってはできそうにないなと思う仕事だった。Bは広告代理店の仕事。あるCMがとても印象に残り、広告の仕事って楽しいと思い目指したそうです。

 

 

『営業で大切なことは「コミュニケーション力と意思決定を促す力」。コミュニケーション力は相手に伝える力と相手から情報を聞く力が必要です。意思決定を促す力とは、不満を希望に、不安を安心に変え、「うん」と言わせる力です。広報のおもしろさは、人に自分の仕事が受け入れられ、それが広く伝わることです。一方で辛いこともあります。それは、間違った原稿や間違った内容を広報として出してしまった時。間違いに気付いた時は、足が震えてどうしようと思いますが、正直に逃げないでどうするか立ち向かっていくことが必要だと考えています。また、仕事の辛さとは、自分と合わない人と関わらなければいけないことがあります。実際にこの人とは合わないというお客さんがいたこともあります。しかし、そういう気持で行くと相手にも伝わり、自分の成績も悪くなるという悪循環が起こってしまいます。そんな時、力が湧いた言葉は、一つ目は田中角栄さんの「くよくよしても仕方ない。とっとと忘れろ!」二つ目は田嶋容子さんの「痛い痛い、辛い辛いと言ってたって仕方ない。絆創膏貼って元気に行き!!」。

この言葉を聞いてまた元気になられたそうです。尾川さんはこう続けます。

『大リーガーの選手でも打率3割5分ですばらしいと言われます。残りの6割5分は凡退。内閣の支持率も6割で好調と言われ、4割は反対の人がいるのが事実。だから、自分もみんなに好かれようと思わず、打てなくても構わないじゃないかと思えるようになったのです。』

『30代、東京で働いていた時のこと。お客様で、「関西人は嫌いだ」という社長さんは初めて顔を見るなり、「仕事ないで」と言いました。そんな中、毎週行くのが嫌と思いながらも社長のもとへ通い、自分へのご褒美に帰りは美味しいハンバーガーを食べて帰っていました。半年通ううちに仕事が来るようになり、自分が大阪に転勤になったときには社長さんから「尾川くん、写真を撮ろう」と言われました。その時撮った写真は今でも宝物になっています。

社員が800人もいる会社の社長が亡くなった時には、お悔やみ広告を出したこともあります。また、会社同士の合併の記事を内々で準備し、合併当日に新聞広告として出すという仕事を行ったこともあります。その時には、信頼された喜びを感じることができました。24時間どこでどんな仕事になるか分からないのが広告の仕事です。広告代理店の仕事はそんな厳しさもあります。』

尾川さんは「お客さんは神様」とは思っていないとはっきりおっしゃいました。お客さんは「お金を貰った以上責任を持って働く相手」だと。無理難題を押し付けてくる相手に何でも「はい」ということが仕事ではない。断ることがあってもいい。その変わり、その責任、つまりその分の売上げは他で取ることが必要だと考えている。プライドを持って職務に励む。そして責任から逃げないことを教えてくださいました。

『みなさんは恋愛をしたことがありますか?好きな人にアプローチしたことのある人はみんな営業マン、営業ウーマンです。好きな人が出来ると、相手のことを「調べる」。デートに誘おうとデート「プランを立てる」。何て伝えるか「コピーを考える」。そして信じてもらえるように伝える「プレゼンをする」。以上のプロセスを踏んだ上で、プレゼンテーション能力のある人が営業マンなのです。』

プライドを持って仕事をすること。そしてその責任から逃げないこと。

これが尾川さんの仕事の上で大切にされていることです。

 DSC07541.JPG

お忙しい中、生徒のためにお話下さった尾川さん、本当にありがとうございました。