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誕生の奇跡を感じる総合学習

『生まれてきてくれて ありがとう』

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2年生にステキなあったかいプレゼントをしてくださったのは矢野未友木さんです。大変、優しい眼差しでお話をされる矢野さん。打合せの段階では、ご自身の経験や、脳性まひで生まれてきた愛する娘さんのお話を2時間して頂くことになっていたのですが、表コミ生にぜひ!ということで、前半に“誕生学”のお話を1時間して下さいました。これは、お母さんのお腹に宿った命が自分の力とお母さんの力を借りて、生まれてくるお話です。

 

誕生学とは健全な自尊感情を育む、ライフスキル教育プログラムです。

「生まれてきたことが嬉しくなると、未来が楽しくなる」をコンセプトに「生まれてくる力を伝える」ライフスキル教育プログラム。自分がどんな風にお母さんのお腹の中で成長してきたのか、どんな力を使って生まれてきたのかをそれぞれの年齢に合わせた表現と内容で伝えるというものです。誕生学は、ここにいる全員が愛されて大きくなったことを証明するお話でした。

 

後半の時間は「みんなにできる大切なこと」として、娘さん(百花ちゃん)の成長と共に矢野さんが様々な活動をしてこられたことをお話頂きました。「どうして車椅子(を使用している)のおもちゃはないの?」そんな百花ちゃんの言葉がきっかけで、おもちゃ作りを始めた矢野さんは、デザイン学校で絵を学び、製作会社とやり取りを行い、「心が育つ工作キット」を作られました。また、百花ちゃんの1年程の入院が決まった時、ステキな思い出をとの想いからアメリカのディズニーランドに行ったそうです。そこで出会った少女とお父さんのお話をされました。「じっと車椅子の百花ちゃんを見つめる少女。そんな時、少女の父親がその少女に向かって「スマイル」と言いました。そしてその少女は、百花ちゃんに笑顔で「ハロー」と言った」というお話です。矢野さんはこの笑顔と挨拶は、大変大切なものだと教えて下さいました。笑って挨拶がしあえる社会ができれば、きっと人と人は支えあいながら生きて行ける。

 

魅力溢れる矢野さんのお話は、生徒の心にすーっと心地よい時間と穏やかな学びの時間を与えて下さいました。お忙しい中、お話頂いた矢野未友木さん、ありがとうございました。

 

 

【生徒の感想より一部抜粋】

・聞く前は、「どうせ私なんて、生まれてこなきゃ・・・」とか「死にたい」ばっかり

 言っていましたが、少しだけ気持ちが楽になったような気がします。

赤ちゃんにはすばらしい力が備わっているのを知った。

人の命は当たり前にあるんじゃないんだと思いました。みんな一人ひとりが生まれて

 くるのには、理由があるんだと思いました。生まれてきたことが一番幸せだと

 思いました。

・自分らはすごい確率で生まれたのが分かった。

・話を聞いていて、心があたたかくなりました。自分のまわりに支えてくれる人がいる。

 そして、愛してくれる親がいる。自分の存在があるってステキだなと思いました。