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総合学習「環境について学ぶ」

ホテルで取り組むエコ111207-2.jpg

 

 

環境に対する意識が高まり、エコという言葉を耳にしない日はないほど、私達の日常に定着しています。地球温暖化や環境汚染、限られた資源の中で、エコに対して興味を持ち、自ら取り組むことが求められています。そんな現状を受け、今回は、『ホテルで取り組むエコ』と題して、ホテルニューオータニ大阪の植井繁貴さん(総支配人室 総務課 主任)にお話しをしていただきました。

 

まずはじめに、ホテルニューオータニ大阪についての映像を見せていただきました。ホテルの仕事は本当に多岐にわたっており、調理や清掃、ベッドメイキングや宴会の準備で働く姿を見ることが出来ました。約1000人もの方が働かれているそうです。普段は目にすることの出来ない、裏方の仕事も知ることが出来ました。続いて、エコについてのお話です。

『みなさん、エコって何でしょうか。エコロジーとかエコノミーの意味ですね。例えば

割り箸の使用をやめて、マイ箸にすることもエコ活動の一環です。蛍光灯は2本で1日12円の電気代がかかります。この教室の電気代は1年間で6万円も必要になるということになりますので、こまめに消灯することにより省エネ効果を得ることが出来ます。また、トイレの大を1回流す水道代はいくらかかるか知っていますか?実は70円で、小は20円かかります。例えば、トイレの水量が少なくて済む節水型便器に変えることにより節水効果を得ることが出来、資源の無駄遣いを防止することも可能になるのです。この様にエコは身近にあるのですが、今日はホテルで取り組んでいるエコ活動について紹介します。

 

これは東京のニューオータニでの取り組みです。大きく分けて、4つの取り組みがあります。その一つが「省エネルギー」です。省エネ対応型空調システム「AEMS」は、冷房から排出された温風を暖房に、暖房から排出された冷風を冷房に活用します。このことで、環境にも優しくお客様に快適に過して頂けます。また、窓ガラスにはエコガラスを採用しています。室内への外気温や紫外線の影響を半分におさえることができます。その他に、エコキュートシステムを導入したり、厨房では電気調理器(IHコンロ)を導入し空調負荷を削減させCO2の削減効果に努めています。

 

2つめに「安全・安心」があります。井水プラントと言って、ホテル敷地内の地下水から、飲料水をつくる施設を持っています。災害時には9700世帯が3日間過せる量を1日で造水することが出来ます。また、殺菌効果と優れた耐久性を持つヒバの木を使用した木製受水槽を設置しており、お客様に安心して飲んでいただける水を提供しています。

 

3つめに「緑化推進」です。屋上緑化に取り組んでおり、2000株のバラを植えた庭園があります。ここでは、リサイクルした排水や生ゴミを再利用した肥料を使って育てています。またホテル外周にはサンバチェンスという植物をたくさん植えています。これは、エコの花と呼ばれ、二酸化炭素を吸収する力が園芸植物の4~6倍で、この花を植えた地表は通常面より10℃も低くなり、打ち水効果を得ることが出来るのです。

 

4つめは、「リサイクル」です。コンポストプラントは、ホテルで出た生ゴミは肥料にするシステムです。ここで作った肥料で契約農家にお米や野菜を作っていただき、それを社員食堂で使っています。

全国のホテルでもこれだけの大きな規模で取り組んでいるのはここだけです。ホテルニューオータニはこの技術開発を行うことでも、社会貢献したいと考えています。

最後の質問では、生徒からの「どうやったらホテルで働けますか?」という質問には、「専門学校で学ぶ方法もあるが、アルバイトから始めることで、就職の道が開かれることもあります」と教えていただきました。

 

先駆的な取り組みをしているホテルの方からの貴重なお話を聞く事が出来、次は自分が取り組むことの出来るエコについて目を向けていくきっかけをいただきました。大変多忙な中、生徒のために貴重な時間を下さった植井さんに感謝致します

ありがとうございました。

 

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【生徒の感想より】

     お話を聞いて、私が一番心に残ったのは、ゴミや排水などのリサイクルです。私は、生ゴミを肥料として使われるのはなんとなく予想はできましたが、まさか排水までリサイクルしているとは思いませんでした。

     ホテルニューオータニのようにトイレの水を再利用することは私達には出来ませんが、水道を使う時もいつもより少なめに出して手を洗ったりするのも自分に出来るエコだと思いました。

     話を聞いて、一番すごいと思ったのは、コンポストプラントです。私も料理をした時に生ゴミがけっこう出てしまいます。一般家庭であれなら、ホテルはもっとすごい量の生ゴミが出てしまうと思い、実際に1日5トンであるとのこと。それがすべて肥料になり、農作の役に立つというのはとてもすばらしいことだと思いました。