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ゲストティーチャー 「しなやかに生きる」

 先週車椅子体験をした生徒たち。今回はゲストティーチャーに金澤智子さんをお招きしました。金澤さんは元表コミボランティアで、現在は福祉科のある高校の教員をされています。

 

 

 

 

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 お話のはじめに車椅子と共に生きてこられた金澤さん自身のお話をお聞きしました。二分脊椎症という障がいのため、車椅子での生活をされてきた金澤さんは、どんな時にも前向きに過ごされていました。5歳から11歳までの6年間は保護者の仕事の関係で中米のパナマという国で過ごしたそうです。パナマでの生活の話の中でも、「大変だった」や「辛かった」という言葉はなく、周りに恵まれて過ごせたとおっしゃっていました。

 

 日本に戻ってからは少し苦労をされたそうで、金澤さんの通った中学にはエレベーターがなく、大好きな本のある図書室に移動するためには、先生に声をかけ、先生3人がかりで階段を上がるためのリフトを取り付けてもらう必要があったそうです。そうこうしている内に休み時間は過ぎてしまうので、図書室に行くことを諦めることも何度もあったとのことでした。印象に残ったエピソードとして、日本の学校に通うことになった際の面談で、ある先生に「あなたが車椅子ということはプラスにもマイナスにもなりません」と言われたそうです。この言葉を言ってくれた先生の様になりたいと教員を目指したとおっしゃっていました。

 

 

  

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 2時間目は世界に目を向けて、金澤さんの専門である福祉についてのお話です。

「バングラデシュでは、女性は学ぶ機会が与えられず識字率が低い現実があります。学ぶ機会がないことが原因で子どもたちが下痢で死んでしまうのです。女性も勉強することで文字が読めると健康に対する知識が増え、たくさんの救える命があるのです。

 また、世界中には戦争や飢餓で苦しんでいる子どもたちがたくさんいます。ここで、赤いテープを配ります。このテープは命のテープと呼ばれるテープです。国境なき医師団などで使用されるこの6cmのテープを輪にした太さより腕が細い子どもは緊急事態と判断します。この小さな輪に腕が通ってしまう子どもが世界中にいるのです。福祉とは何でしょうか。私は“知ること”から始まると思います。このような状況にある子どもたちがいることを知って一人ひとりの学びをスタートしてください。」

 

 

 

 金澤さんの魅力溢れる表情と穏やかなお話に優しい学びの時間となりました。お忙しい中、お越しいただいた金澤さん、ありがとうございました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

***** 在籍生の7割が不登校経験者の学校 *****

 

 

大阪YMCA国際専門学校高等過程 表現・コミュニケーション学科