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卒業生へ贈る言葉

 卒業公演・卒業式が終わり、生徒だけではなく私たちも抜け殻になってしまったようです。そんなにも濃い時間をこの数日、過ごしてきました。でもそれは、3年前の春からの積み重ねてきた時間の凝縮だったことにも気づかされます。

 表コミはいつも生徒のことを河原の石にたとえています。入学時は上流にある石のように生徒誰もが尖っていますが、それがたくさんの石とぶつかり、こすれあい、年月を経ると、だんだん丸くなっていくという話です。卒業公演時の6期生たちはそれぞれの個性を残して認め合い、ひとつになったと実感しました。

 6期生の最初のこすれあいは阿南キャンプだったと思っています。カウンシルファイヤーが終わっても電気がつかず、停電であることに気がつきました。ファイヤー中にも、雷が鳴り、猛烈な雨が降っていたのですが、ほとんど気にならないほど私たちは熱い時間を過ごしていたのです。外は豪雨で宿泊キャビンまでも戻れず、その夜はそのままその場に雑魚寝をしました。

 卒業文集発表会では生徒の変化を目の辺りにして、大変感激しました。希望者が発表するというものでしたが、時間内でおさまらない程手を上げる人が多かったのも印象的でした。「人と関わる中でいやなこと、心が傷つくこと、何かで失敗したり間違ったりして心が折れそうなことがあるのは当たり前で、それは誰でも経験することであり、みんなそれと頑張って向き合いながら日々を過ごしているのに、私はそれと向き合おうとせず逃げていたと思います。そういう経験の繰り返しで人としてどんどん成長できるのに自分は経験をしてこなかった。」「どんな場面でも自分から話したりすることが大事で、それが人と関わっていくということと思いました。」自分を客観的に見つめ、自分がどのようにすべきか気づき、希望を語った卒業生。何より、多くの人が「発表したい」と思えたのは、皆が聞いてくれるという安心できる場を自分たちで作りあげてきたからです。

 学ぶこと、教育は平和をつくります。おりしも卒業公演のパンフレットに「教育こそ、国の礎」とありましたが、生徒たちが学んできたことは自分のためだけではなく、平和を作ることに大きく貢献しています。卒業生がそれぞれ、自分の生きる場所で、平和をつくる人になってほしいと願います。

 

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大阪YMCA国際専門学校 副校長 鍛治田千文

 

 

 

***** 在籍生の7割が不登校経験者の学校 *****

 

 

大阪YMCA国際専門学校高等課程 表現・コミュニケーション学科