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授業紹介「多分化共生考」


  表コミには、表コミ独特の特色ある科目がたくさんあります。今回ご紹介する「多文化共生考」もそのひとつです。「多文化共生考」は、「」様な「文化」をもつさまざまな人々が、「」に平和で幸せに「」きていくためにはどうしたらよいかを「」える科目です。現在、世界ではさまざまな国や人がつながり合い、影響し合う関係にあります。そんな中で、世界全体の平和や個々の幸せを実現するには、自分の価値観にとらわれず、相手のありまのままを受け止め、互いに理解し合うことが必要です。そのための力を身につけるための科目が、この「多文化共生考」です。
例えば、“友人と待ち合わせをするとき、集合時間よりも少し前に来るように心がけているか”をきいたところ、クラスのほとんどの生徒が手を挙げました。日本人は一般的に、世界で最も時間を守る人々だといわれています。まさに“親しき仲にも礼儀あり”の考え方です。しかし、そのような考え方に対して、“友だち同士なのに、なぜそんなに気を遣うの?”、“すべては神様の思し召し”など、世界にはさまざまな考え方があります。また、日本人の中でも“「礼儀」というより、相手に嫌な思いをさせたくないだけ”、“早く友だちに会いたいから早く行く”など、人によって少しずつ理由は異なります。もちろん“なぜかいつも遅刻してしまう”という人だっています。また一方で、“日本人は、遅刻には厳しいのに仕事の終了時刻は守らない”という批判があるのも事実です。
自分と違う習慣や考え方をもつ人と出会ったとき、わたしたちは相手に対して、無意識のうちに“変だ”、“おかしい”、“間違っている”などの否定的な感情をもつかもしれません。また、自分はよかれと思ってしたことが、相手にとっては迷惑になってしまうこともあります。そんなとき、“あの行動には、どんな理由があるのだろう?”、“あの意見の裏には、どんな背景があるのだろう?”という興味をもち、多角的に相手のことを考えることを通して、相手を理解していってほしいと思います。そんな力をつけるために、この「多文化共生考」では、文化に関するさまざまな事例を多角的に考えることを通して、多様な価値観を学んでいきます。
相手を理解するということは、自分のことをより客観的に、より深く理解することでもあります。相手や自分を理解することを通して、今まで知らなかった新しい考え方を知ることは、自分の殻を破るきっかけになったり、なりたい自分になるチャンスを与えてくれます。この「多文化共生考」を通して、さまざまな考え方のよさを学び、豊かな人間関係を築くことができるよう願っています。

齋藤郁恵

 

***** 在籍生の7割が不登校経験者の学校 *****  

大阪YMCA国際専門学校高等課程 表現・コミュニケーション学科