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2年生 演劇発表

 さる12月17日、表コミ2年生(9期生)は、演劇公演「ETERNAL LOVE ~in Parallel Life ~」を上演いたしました。

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 15世紀中頃のイングランド、ランカスター家とヨーク家が覇権を争うバラ戦争の時代から始まった舞台は、その後550年後の現在、2014年のロンドンへと飛びます。別の時空間にいる二人の人間が、時空を超えて同じような人生を歩む現象「平行理論=パラレルライフ」。その謎を解くため、タイムスリップする主人公たち。舞台は1914年と2014年を行き来しつつ、15世紀、さらには22世紀の未来までもが交錯する愛の物語です。

 演劇公演を初めて経験する2年生は45分ほどの脚本を上演するのが常ですが、今年の9期生に課されたのは1時間を超える長い物語でした。また、多くの生徒が、自分のキャラとギャップのある予想外の演出をつけられていきました。これまでクラス行事を団結してそつなくこなしてきた力のある9期生に対し、演出の植村先生が求めたのは「変化」という課題でした。自分の思ってもみなかった突然の「変化」に、試行錯誤しながら柔軟に対応していくこと。それはそのまま、卒業後、社会で求められることでもあります。

演劇2小.jpg 秋から始まった練習期間。初めこそ、脚本を読み、面白がっているだけで済んでいた生徒も、実際に取り組み始めると、覚えられない長い台詞、人前での慣れない大声、人に見せるためのアクション、笑ってもらうためのテンポやスピード・・・。やることは無数にありました。また、気持ちの浮き沈みがあったり、途中、練習に参加できなくなる生徒がいたり、全員が揃わないことも多く、練習はなかなか思うように進みませんでした。

 本番を1週間後に控えたホール練習の日。1日の稽古が終わった後に、一人ひとりが自分の気持ちをクラス全体に伝えるHRを行いました。「クラス全員で生み出せる舞台を楽しむ」「後悔しないために精一杯努力する」「助けあうこと」「成功も失敗もない、楽しむことが大事」…。

 クラスメイトの演劇への思いを共有したこの日から、生徒の姿勢は大きく変わりました。「自分が舞台上に立つんだ」というイメージをはっきり持ち、「誰一人欠けても、物語は完成しない」ことを理解し、一回一回の練習に向き合う姿勢が危なげないものになりました。 

 本番当日、最終リハーサル中には、舞台楽屋のホワイトボードにクラスメイトの思いがいっぱい書き込まれました。「全力を出しきろう!みんながいるよ。やれることをやろう」共に舞台に立つクラスメイトたちだけが共有できるかけがえのない“絆”が溢れます。演劇4.jpg

 本番が始まり、大きなプレッシャーと緊張感の中、150人近くの観客の前で、9期生はその力を十分に発揮し、見せつけてくれました。舞台上からあふれ出る一人ひとりの個性。

 その生徒にしかできない演技の数々。台詞の多少にかかわらず、すべての役に意味がある。自然と仲間どうし助け合い、力を合わせる姿があり、終盤には静かな感動が待っていました。

 終演後は、多くの保護者や先生たちが口々に「すごかったですね」。本番終了後の記念撮影、そして振り返りでの一人ひとりの「やり切った」発言。9期生らしい笑いの絶えないコメントの合間に、「皆が支えてくれたから最後まで頑張れた。ありがとう」クラスへの感謝の言葉が自然と聞こえてきました。

 3年間の表コミ生活のターニングポイントとなる大きな行事を見事成功させた表コミ9期生たち。達成感を絆を胸に秘め、大きく成長し、次への一歩を踏み出しています。

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未来人.jpgみかちゃん.jpg東さん.jpg

谷さん.jpgラスト.jpg筑波君.jpg

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***** 在籍生の7割が不登校経験者の学校 *****  

大阪YMCA国際専門学校高等課程 表現・コミュニケーション学科