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広島修学旅行(平和学習)を終えて

8月3・4日、3年生は広島修学旅行(平和学習)に行ってきました。ホームルームや授業で積み重ねてきた平和学習、その締めくくりに、広島の被爆について知り、平和の大切さ、尊さを学ぶことを目的としています。

「できれば、せめてあなたがたはすべての人と平和に暮らしなさい。」(ローマの信徒への手紙 12章18節)

今回、旅の前に上記の聖句が与えられ、一人ひとりが「自分はこの聖句についてどういう答えを持って帰るか」が課題となりました。

1日目は平和記念式典準備中の広島平和記念公園を訪れ、平和記念資料館を見学しました。その後、広島女学院の生徒ボランティアの案内で、広島平和公園の碑巡りをしました。知識や映像だけで知っていた原爆。いまだ残る生々しい爪あとを実際に見て、また同じ世代の高校生が自分の言葉で語る碑めぐりを通して、生徒たちが感じ、考えたことは大きかったのではないかと思います。

また、午後からは宿で被爆者の方の体験談を聞きました。戦後70年、生徒も我々も、被爆された方のお話を直接聞くことができる最後の世代です。爆心地のすぐそばで被爆された方で、80歳を超えるご高齢にもかかわらず、立ったまま1時間以上生徒に語りかけ、また質問に答えて下さいました。被爆者ご本人からしか聞くことが出来ない被爆した日の体験、そして強い平和への思い。

「学びとは、生きるために学ぶこと。机上で学ぶことだけでなく、あらゆる人からの話を聞き、どう生きるかを深く考えることが、学ぶということ。この世に生まれたからには、幸せになりなさい。」

深く強く心に刻まれる言葉でした。

その日の夜の会では、一人ひとりが千羽鶴に触れながら、核に対して、平和に対して、色々な事を考え、話しました。

自分にとっての平和とは。

以前広島に来た時とは、また違う思いを持った。

考えの全く違う人とも、対話をあきらめない。

いま答えは出ない、でもこれから考え続けていくことになると思う。

「できれば、せめてあなたがたはすべての人と平和に暮らしなさい。」に対する、それぞれの現時点での答えを、みんなで静かに共有しました。こうしてクラスメイト全員で穏やかに話しができている今、この時こそ「平和」だという言葉が、一人の口から聞かれました。それを真剣に聞く生徒全員の表情にこそ、何よりの今回の旅の成果と手応えが感じられました。

翌日朝、再度平和記念公園を訪れ、表コミ全学年で作成した千羽鶴を、原爆の子の像に奉納し、祈りを捧げました。その後はフェリーに乗って宮島へ。世界遺産・厳島神社を見学し、その後は各班の自由行動。揚げもみじや焼き牡蠣などグルメ巡りをする班、千畳閣の広間で静かに夏のひとときを味わう班、アグレッシブに沢山の名勝をダッシュで観光する班・・・。それぞれが修学旅行を満喫し、全員元気で大阪に帰ってきました。

8月という時期に、広島の地で、平和について見、聞き、考え、また語ることで、大きな経験と新たな気づきを得られた3年生。夏休み明けに振り返りを提出し、また9月にそれぞれの調べ課題を発表することで、平和学習の最後の締めくくりとすることになります。そして3月の卒業に向けて、自分自身の進路に向けて歩んでいきます。

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***** 在籍生の7割が不登校経験者の学校 *****  

大阪YMCA国際専門学校高等課程 表現・コミュニケーション学科