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釜ヶ崎ボランティア

 表コミでは、大阪市西成区にある釜ヶ崎(あいりん地区)について学びを深めるため、希望者を対象にフィールドワークとボランティア活動を行っています。今年度もIHSと合同で12月23日と25日に釜ヶ崎を訪問し、地域見学やクリスマスプレゼント作りをした後、野宿者の方々への炊き出しを行いました。

kamagasaki1.jpg 釜ヶ崎ボランティア1日目の23日は、西成教会でクリスマスプレゼント作りを行いました。カイロや靴下、毛糸の帽子、タオルなどの日用品を袋に入れ、箱に詰めていきます。単純な作業のようですが、600個近くのプレゼントを作るとなると、20人近くで作業をしても2時間近くかかります。さらに、これらは全て教会や地域の方々からいただいたものです。わたしたちがうっかり内容物の数を間違えてしまうと、受け取る方々に不満を与えてしまうことになります。様々な方々から届いた温かい気持ちを釜ヶ崎の方々にきちんと届けるべく、間違いのないよう、慎重に、心を込めて作業を行いました。

釜ヶ崎2.jpg 地域の様々な方が参加されるこのボランティア地域の方々の“若い人に会えて嬉しい”という言葉に、「そう言われたことが嬉しかった。」と表コミ生。教会の方からは、「社会には様々な事情で路上にいらっしゃる方がいます。“いただいてくれてありがとう”そう心から思って、このプレゼントを渡せるようになってほしい。」という言葉をいただき、クリスマスを前に、プレゼントの意味を考える充実した時間となりました。

 

いこい食堂前看板.jpg そして迎えた25日。釜ヶ崎の方々が、少しでも温かくクリスマスを過ごし、年越しできるようにと、日本全国からお弁当や衣類が運ばれてきます。人々がどんな思いでこれを用意し、この街に運んできたのだろうと、思いを馳せずにはいられません。そして、それらを確かに釜ヶ崎の方々の手に届けようと、日本全国から集まって来た教会の方々や学生たち。そんな方々と出会うだけで、胸が熱くなります。讃美歌作成.jpg

 例年、わたしたちはそれらのプレゼントの搬入作業を手伝わせていただいていましたが、今年はクリスマス集会で使う讃美歌の歌詞を書くというお手伝いもさせていただきました。

 また、街歩きの中では、昨年にはなかった新しいシェルターを見学させていただいたり、釜ヶ崎という街の変化を目の当たりにしました。工事現場の責任者の方からは、「大阪市の福祉行政についていろいろ言う人もいますが、生活保護が受けやすくなり、人々の生活が変化してきたのは確かです。実際に現場で仕事をもらう立場の私たちからすると、よくやってくれていると感じる。早く選挙権をもつあなたたちには、実際のところを自分の目でしっかり確かめて、選んでほしい。」そんな熱いメッセージをいただきました。

    センターでの説明.jpg   床屋見学.jpg   シェルター見学.jpg

 プレゼントお渡し.jpg

 そしていよいよプレゼントのお渡し。初めは緊張しましたが、受け取って下さる方々の笑顔に安心し、少しずつ釜ヶ崎の方々とうちとけていくことができました。「“ありがとう”って言われるとこんなに嬉しいんだ」そんなことに気づかせてもらえるのが、この活動の尊さです。

 

いこい食堂ふりかえり.jpg プレゼントのお渡しが終わった後は、この活動に携わったメンバー全員で「いこい食堂」に集まり、それぞれの思いを共有しました。この釜ヶ崎ボランティアで表コミがお世話になっている米加田先生からは、「“与える”のではなく“分け合う”のである」というメッセージをいただきました。

 与える側と与えられる側に分かれているのではなく、共に食べ物や着る物を分け合っている。表コミ生にも、その活動の一端を担う経験をさせていただけた事に感謝です。

 

 

***** 在籍生の7割が不登校経験者の学校 *****  

大阪YMCA国際専門学校高等課程 表現・コミュニケーション学科