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ピンクシャツデー2016
ピンクシャツデーとは、2007年カナダで2人の学生が起こした行動から瞬く間に世界に広まった、世界的ないじめ撲滅運動です。ある日、ピンクのシャツを来て登校した少年がゲイだとからかわれ、耐え切れずに学校を出てしまいました。それを見た2人の学生が、放課後に50枚のピンクのシャツを買い込み、その夜、クラスメートたちに学校のBBSやメールで「明日一緒に学校でピンクのシャツを着よう」と呼びかけました。翌日、学校では呼びかけに賛同した多数の生徒がピンクのシャツを着て登校し、学校中がピンク色に染まりました。後日、いじめられた生徒はピンクのシャツを着て登校し、それ以来その学校でいじめを聞くことはなくなったといいます。このエピソードがSNS等を通じて世界中に広まり、現在世界の70ヵ国以上の国でいじめ撲滅のための活動が行われています。
今年からYMCA全体でこの運動に取り組み始めたのをきっかけに、表コミでも様々な取り組みを通して、ピンクシャツデーに参加しました。カナダでは、毎年2月の最終水曜日をピンクシャツデーと定めていることから、表コミでも今年の2月24日(水)に向け、後期から動き出しました。
まず表コミが参加したのは、ピンクシャツデーのイラスト製作です。ピンクシャツデーに親近感をもってもらうために、また、イジメ撲滅運動をより印象づけるためのイラストの募集をしたところ、たくさんの応募があり、その中で表コミ2年生の右の作品が選ばれました。このイラストは大阪YMCAのピンクシャツデーのポスターに使われ、大阪中のYMCAでこのイラストがピンクシャツデーを広めてくれることになりました。
2月初旬には、選択芸術の授業を受けている生徒やアートクラブの有志メンバーがコラボで製作した作品を4階入り口に掲示しました。生徒一人ひとりの個性が光るこの掲示物は、来る人の足を止め、しばしイジメややさしさについて思いをはせる時間を作ってくれました。
そしてピンクシャツデーを翌週に控えた2月15日(月)、3年生はイジメをテーマにした授業を行いました。「アナタにとってイジメとは?」「イジメを受けた人は何をしたいか・してほしいか」をみんなで出し合いました。それぞれの過去の経験から語られる真摯で純粋な思いは、毎日新聞にも取り上げられました。
生徒の声(一部抜粋)
アナタにとってイジメとは?
・毎日、いつもわざとやる否定形のいじり
・自分の存在を否定された時
・仲間外れ
・自己防衛
・集団で一人をからかうこと。
・人の個性を認めないこと。
・その人が「すごく嫌だ」「いじめられている」と
感じることをすること。
・悪口・いやがらせ 一つの行動がエスカレートするとイジメに発展する
イジメを受けた人は何をしたいか・してほしいか
・孤独からにけ出したい。ぬけ出させてほしい
・仲間がほしい。素の自分でいたい。
・「逃げたい。」助ける、守るとかキレイ事のようなの
はいらない。逃げたければ逃げればいいと、
あなたはあなたでいいということを伝える。
・話せる人がほしい
・「嫌」と言えるようになりたい。
・自分と同じ「つらい」を感じる人を減らしたい。
・助けたい。助けてほしい。その勇気がほしい。もってほしい。
・話を聞いてあげること。
また、スタッフもピンクシャツデー前後の一週間、お揃いのピンクのバンダナを身につけました。
そして迎えたピンクシャツデー当日、たくさんの生徒がピンクのシャツを着てきてくれたり、ピンクのものを身に付けて登校してくれました。また、身に付けるという形ではなくても、ピンクのものを意識的に持ち寄り、思い思いのピンクシャツデーを行いました。
「いじめ撲滅」までの道のりは簡単ではないのかもしれません。
しかし、社会全体がいじめ撲滅に対して高い意識を持ち、
いじめの被害者と加害者以外の立場にいる人が
「傍観者」とならないことがいじめられている子どもを救うことになる・・・
と私たちは考えます。
公正で平和な世界の実現を目指すために、私たちはその第一歩を踏み出します。
(ピンクシャツデーポスターーより抜粋)
みなさん一人ひとりの思いと行動が、イジメのない世界をつくります。
かけがいのない存在である自分たちを、互いをかけがえのない存在として、
大切にすることができますように。
***** 在籍生の7割が不登校経験者の学校 *****
大阪YMCA国際専門学校高等課程 表現・コミュニケーション学科