トピックス

3年・広島修学旅行(平和学習)

 

IMG_3292.jpg

 

広島の平和記念日である8月6日に、3年生は広島修学旅行(平和学習)に出発しました。ホームルームや授業で積み重ねてきた平和学習の締めくくりとして、広島の被爆について知り、平和の大切さ、尊さを学ぶこと。そして、2泊3日の旅を通して、クラスの仲間たちとの絆をより深めることを目的としています。

 

「できれば、せめてあなたがたはすべての人と平和に暮らしなさい。」(ローマの信徒への手紙 12章18節)旅の前に、生徒たちに上記の聖句が与えられ、一人ひとりが「自分はこの聖句についてどういう答えを持って帰るか」が課題となりました。

 

IMG_3212.jpg

1日目は、フェリーに乗って宮島へ。世界遺産・厳島神社を見学し、その後は各班の自由行動。揚げもみじやかき氷などグルメ巡りをする班、千畳閣の広間で静かに夏のひとときを味わう班、宮島水族館で海の生き物と触れ合う班。それぞれの活動班で思い思いに楽しみました。

夜は、有志によるレクリエーション大会。怖い話、心理クイズやなぞなぞ、そして10期生恒例のDJO氏によるステージと、盛り沢山の内容で盛り上がりました。

 

01007e7e8f8f35a9eeae617d463de099ab6b566f64.jpg 

2日目より、平和学習がスタートです。平和記念式典から一夜明けた広島平和記念公園を訪れ、平和記念資料館を見学、その後旧日本銀行広島支店や、袋町小学校を見学しました。

「『10万人が死んだ』と思うのではなく、『一人ひとりに家族がいた』ことを、思ってください。『もし、自分の家族がそこにいたら』と、想像してみてください」。語り部のお一人が語られた言葉です。

 

その後、旅館に帰り、語り部の増岡清七さんのお話を聞きました。増岡先生は、中学校3年生の時、爆心地から1kmの地点にいて、被爆され、生き残られた方で、8年前から、表コミの生徒に毎年お話をしてくださっています。戦後71年、生徒も我々も、被爆された方のお話を直接聞くことができる最後の世代です。

「しっかり、『人間』として、生きてください。生きて、幸せになってください」。当日の様々な体験や考えを述べられた最後に、強いメッセージを私たちにつたえていただきました。

 

知識や映像だけで知っていた原爆。広島に残る様々な傷跡を実際に見、そして様々な方の生のお話を聞き、生徒たちが感じたことは大きかったのではないかと思います。

 

 

その日の夜は、一人ひとりが、今回の旅を通して、平和について考えたことを話しました。

与えられた聖句「できれば、せめてあなたがたはすべての人と平和に暮らしなさい。」

聖句の中で、「できれば」「せめて」の2語が前についていることが、その実現の難しさを表し、しかしその語尾は命令形で語られている。この言葉を、どう受け取り、自分はどう行動していくか。

この言葉に対して、一人ひとりが考え、迷いながらもキレイ事ではなく、自分の言葉で語りました。熱くなったり、涙を流す生徒もいました。これまでの自分を改めて振り返る生徒もいました。自分の無力さや、平和の不可能性を語る生徒もいました。ただ、それぞれの現時点での答えを、みんなで静かに共有しました。

 

3日目は、広島女学院高校の生徒ボランティアの案内で、広島平和公園の碑巡りをしました。高校生が、広島の被爆について世界の人達に説明することを自ら選び、またその伝統が受け継がれている。同じ世代として、大きな刺激を受けた生徒も多かったのではないでしょうか。

そして最後に、表コミ全学年で作成した千羽鶴を原爆の子の像に奉納し、祈りを捧げました。

 

 

8月という時期に、広島の地で、平和について見、聞き、考え、また語ることで、大きな経験と新たな気づきを得られた3年生。仲間といつもと違う時間を過ごしたことで、また一つ、3年生らしい落ち着きを得たように感じました。

今後、夏休み明けに振り返りを提出し、また9・10月にそれぞれの決めたテーマをまとめて発表することで、平和学習の最後の締めくくりとなります。

 

周りに生きる人々と平和に暮らしていくために、できること。今回の旅を通して、一人ひとりの心に、身体に残るものを、ずっと大切に持ち続けてほしいと思います。

 

 

IMG_3389.jpgIMG_3295.jpg


IMG_3429.jpgIMG_3457.jpg

 

***** 在籍生の7割が不登校経験者の学校 *****  

大阪YMCA国際専門学校高等課程 表現・コミュニケーション学科