不登校問題とは
(2)不登校(登校拒否)の一次反応

まずはじめに最初、親達は子どもの様子が変だなと思い始めます。

では、不登校問題の始まりはどのようなものでしょうか?

まずはじめに最初、親達は子どもの様子が変だなと思い始めます。その時の子どもの反応を私は不登校問題の『一次反応』と呼んでいます。一次症状とは呼びません。なぜなら症状という言葉は病気に使う言葉です。不登校という問題は病気ではないのです。病気だと思ってしまうと多くの親も教師も不登校を治そうとします。でも不登校という問題は「治す」ものではありません。何かどこかが合わなくて苦しくなり不登校になって自分を守っているのです。子どもが自らの心を整え、整理して、そして自分の心をしっかりと受け止めてくれる人との出会いがあれば、子どもは自らの意思で立ち上がって歩くのであって、これは「治る」とか「治す」とかといったレベルのものとは全く違います。親達が最初に不登校あるいは、登校拒否の子どもと出会う時、それは『一次反応』という状態を子ども達は示してくれ始めた時です。これが不登校問題の始まりです。

講師 廣木克行氏

(神戸大学発達科学部教授・登校拒否・不登校問題全国連絡会全国世話人・教育科学研究会全国委員)

「大阪YMCAでの講演会より一部抜粋」
著書:「子どもが教えてくれたこと」(北水)
「人が育つ条件」(北水)「21世紀を生きる君へ」(北水)